ウレタン接着剤

ウレタン接着剤とは

ウレタン接着剤とは、ポリイソシアネートとポリオールの付加反応であるウレタン化反応を利用した接着剤です。

ウレタン樹脂を主成分としており、1液型や2液型、ホットメルト型などの種類があり、中でも2液型は、構造用接着剤など多種多様な用途で使用されています。特に樹脂への接着性が非常に高いため、樹脂用途に使われます。

また、エポキシ系やアクリル系接着剤と比較して柔軟性が高く、高い耐衝撃性と衝撃吸収性を持った接着剤です。

ウレタン接着剤の使用用途

1. 自動車産業

自動車の部品やパネルの接着に利用されます。これにより、車両の強度を向上させるだけでなく、外部からのノイズや振動を軽減し、乗車快適性を高めることができます。

2. 建築産業

建材の接着や絶縁材の固定などに使用されます。窓枠やドアの取り付け、断熱材の固定、さらには屋根材の貼り付けにも適しています。

3. 家具製造

家具の製造において、木材や合板の接着に使用されます。堅牢な接着を提供し、耐久性のある家具の製造に貢献します。

4. 電子機器産業

電子機器の組み立てにも広く利用されます。基板やコンポーネントの固定、ケーブルの保護などで使用され、電子機器の信頼性を向上させます。

5. 靴製造

靴底と靴の上部を接着する際に使用されます。靴の強度を高め、耐久性を向上させるために欠かせない材料です。

6. 包装産業

包装材料の接着や封緘に使用されます。食品や医薬品などの包装を安全かつ衛生的に保つ役割を果たします。

7. 航空宇宙産業

航空機の製造においても使用されます。軽量で強固な接着を提供し、航空機の性能向上に寄与します。

ウレタン接着剤の原理

ウレタン接着剤の主要な成分は、イソシアネートとポリオールです。これらの成分が混合されると、イソシアネートとポリオールの間で反応が起こり、ウレタン結合が形成されます。この化学反応によって、強力な分子間結合が生じ、接着剤が基材としっかりと結びつきます。

また、ウレタン接着剤は化学反応だけでなく、物理的な結合も提供します。ウレタン接着剤は粘性が高く、液体状態で基材に塗布されます。

その後、接着剤が硬化する過程で基材との物理的な結合が形成され、この物理的な結合によっても接着強度が向上が可能です。

ウレタン接着剤の種類

1. 一成分ウレタン接着剤

一成分ウレタン接着剤は、硬化剤を混ぜる必要がないため、使用が簡便です。これは主にDIYや小規模な現場で使用され、硬化は湿気を利用して行われ短時間で硬化する特徴があります。耐久性や接着力は一般的に低いですが、簡易的な用途に適しています。

2. 二成分ウレタン接着剤

二成分ウレタン接着剤は、硬化剤を接着剤と混ぜて使用します。これにより、硬化の制御が可能で、より高い接着強度と耐久性が得られます。木材、プラスチック、金属など、さまざまな材料の接着に使用され、工業的な用途に広く適用される接着剤です。

3. 柔軟性の高いウレタン接着剤

柔軟性のあるウレタン接着剤は、温度変化や振動に耐える必要がある場所で使用されます。車両や建築など、高い耐久性と柔軟性が求められる場面に適しています。

4. 高強度ウレタン接着剤

高強度ウレタン接着剤は、非常に強力な接着性能を持ち、金属同士や異なる材料間の接着に使用されます。自動車産業や航空産業など、厳しい環境下での使用に適しています。

5. 耐熱ウレタン接着剤

耐熱ウレタン接着剤は、高温環境での使用に適した種類です。耐熱性が高く、高温での変形や劣化が少ないため、エンジン部品や熱処理装置などで使用されます。

6. 食品接触用ウレタン接着剤

食品加工産業や医薬品業界など、衛生的な環境で使用される場合に適したウレタン接着剤です。安全基準を満たし、食品や医薬品との接触に対して安全性が保たれます。

ウレタン接着剤のその他情報

表面準備の重要性

ウレタン接着剤の効果的な接着には、基材表面の準備が重要です。基材表面は汚れや酸化物で覆われていることがあり、これらの物質が接着の効果を低下させる可能性があります。適切な表面処理を行うことで、接着剤が基材としっかりと結合し、優れた接着強度が得られます。

参考文献
https://www.haraga-secchaku.info/app/download/10569310879/171109
https://www.etec.jsr.co.jp/technical/249/

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