アッシング装置

アッシング装置とは

アッシング装置は半導体製造などで使用されているレジストなどを除去する装置です。アッシングは灰にするという意味があり、文字通りプラズマやオゾンなどを使用してレジストなどを灰にして取り払ってしまいます。

半導体製造におけるレジストとは保護膜のことであり、シリコンウェハ表面に塗布された後に特定の部分のみ感光されて微細構造が作られます。そして、役目が終わった後には取り去れらます。

半導体製造ではアッシング装置はシリコンウェハの処理に使用しますので、シリコンウェハが搬送可能な大掛かりな装置になっています。

アッシング装置の使用用途

アッシング装置は半導体製造工程におけるイオンインプラントの剥離やレジストなどのポリマーの除去、CCDを製造する際のカラーフィルターの除去などに使用されています。

アッシング方法には二種類あり、プラズマを用いてアッシングするプラズマアッシングとオゾンを用いて炭化水素と反応させてアッシングするオゾンアッシングがあります。メジャーな方法は酸素をプラズマ上にして反応性を高めることによりアッシング効果が高くなるプラズマアッシングです。

アッシング装置の原理

プラズマは電離したガスであり、高い反応性を有しています。酸素をプラズマ状にすると、炭素や水素と非常によく反応しますので、酸素プラズマ中に炭化水素のポリマー、例えばプラスチックなどを入れておくと見る見るうちに消えていきます。

純粋な炭化水素は炭素と水素のみで構成されてていますので、酸素と反応した後は水と二酸化炭素が放出され、反応後には何も残りません。半導体製造用のレジストは炭化水素のポリマーで出来ていますが、その中には添加剤や溶剤、感光剤などが含まれていますので、これをアッシングする場合はレジストに合わせた最適なプラズマの条件が必要になります。

オゾンアッシングは酸素分子をプラズマにして活性化させるのではなく、酸素分子から反応性の高いオゾンを作り出して反応室に導入されます。この際、紫外線を照射することでオゾンからさらに反応性の高い酸素ラジカルと呼ばれる原子状の酸素を作り出してレジストと反応させています。

酸素プラズマと酸素ラジカルの違いですが、酸素プラズマは酸素原子がある割合で陽イオンになっていますが、酸素ラジカルは電気的に中性ですので酸素プラズマの方が反応性は高くなります。

参考文献
https://www.ulvac.co.jp/products/ashing_system/luminous_na_series/index.html
https://www.screen.co.jp/spe/technical/guide/resist

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