雨除け

雨除けとは

雨除けとは、農作物などを雨から守り安定した収穫を可能にするための、ビニール製の屋根のことです。

フレームパイプにビニールシートを被せるだけの簡易型が多いものの、ハウス型も活用されています。また、多くの雨除けが各メーカーから販売されており、通販やホームセンターなどで購入できます。

雨除けの多くは、2坪程度の小さなタイプです。組み立てが比較的簡単なので、農家だけでなく家庭菜園を楽しむ個人でも多く利用されています。

雨除けの使用用途

雨除けは、主にトマト・キュウリ・ナスなど降雨が苦手な野菜や、ブドウなどの果実栽培に使用されます。農作物の頭上をビニールシートで保護するように設置して使用します。

作物などに雨があたらないよう、雨除けの高さや幅などを考慮し、正しく使用することが重要です。

雨除けの特徴

長所

雨除けを使用すると、雨風や直射日光による農作物の実割れを防げるほか、ベト病や苗立ち枯れ病などの発生率が減少します。例えば、トマトやスイカなどの栽培に雨除けを導入することが多く、生産の安定化や収量の増加、品質の向上などが期待できます。

簡易型の雨除けは、雨を遮りながらも太陽光や風を適度に透過させるため、温度や湿度の調節がしやすい点が長所です。また、壁部分をシートで覆うことで保温性が向上し、冬季の野菜の栽培も可能です。

一方、ハウス型の雨除けであれば、春・夏は雨除けとして、秋・冬は温室として活用でき、収穫時期の調整も容易になります。

短所

雨除けに用いられるビニールシートは耐久性が低いため、繰り返し使用する場合は交換が必要です。また、劣化して穴が空いていると雨水が作物にあたってしまい、実割れやカビの原因となります。雨除けを使用する前に、ビニールシートに穴や破れ、ひどい汚れがないか確認してください。

雨除けの構造

雨除けの構造は、簡易型とハウス型によって異なります。

1. 簡易型

簡易型の雨除けの構造は、フレームパイプを支柱とし、天井部に厚さ0.1mm前後の透明な農業用ビニールシートを被せたシンプルな構造です。フレームパイプは錆に強い亜鉛メッキスチールやスチールパイプが用いられ、ビニールシートはポリプロピレン・ポリエチレンなどの材質が使われます。

簡易型の雨除けは軽量で簡易な構造のため、一人でも組み立てることが可能です。支柱を地面にしっかり挿し、トップ部分のアーチ状の支柱と連結させてからビニールを被せ、専用クリップで留めます。

2. ハウス型

ハウス型の雨除けにはドアが付いているのが特徴で、パイプの骨組に天井部と側面にビニールシートを張った構造です。春夏は雨除けとして、秋冬は温室として、1年中利用できます。また、移動式の雨除けハウスは移動が可能で、連作障害を防げます。

ハウス型の組み立て方法は、簡易型と基本的には同じです。パイプをジョイントで組み立て、ドアを取り付けたら、ビニールシートをパッカーで留めて組み立てます。

雨除けの選び方

雨除けは、作物の性質や目的に応じて、簡易型もしくはハウス型のいずれかを選びます。鳥や害虫などの被害から守る場合は、ハウス型の雨除けがおすすめです。

また、パイプやビニールシートなどがセットになった「雨除けセット」を購入する際は、畝幅・肩幅・高さが作物に合っているか、組み立てやすさなどを確認して選びます。

以下に、雨除け栽培に向いている野菜や果樹などを列記するので参考にしてください。ブドウのツルを這わせられるタイプの雨除けも販売されています。

  • トマト
  • キュウリ
  • ピーマン
  • ナス
  • シュンギク
  • ホウレンソウ
  • イチゴ
  • スイカ
  • メロン
  • サクランボ
  • ブドウ

雨除けのその他情報

雨除けの寿命

雨除けのビニールシートの耐用年数は、あまり長くありません。農業用ビニールシートとして一般的な「農ビ」の耐用年数は1~2年ほどです。「農PO」は約3~5年ほどの耐用年数を備えています。

雨風や紫外線、気温の影響により、ビニールシートの柔軟性や透明性が経年劣化するため、定期的な張り替えが必要です。また、雨除けの構造上、強風が内側から天井部を突き上げると、ビニールシートが剥がれたり破れたりしやすいため、台風が予測される際は取り外しておくことをおすすめします。

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