シルバーシート

シルバーシートとは

シルバーシート

シルバーシートとは、アルミニウムをポリエチレンフィルムで挟み、多層構造からなる光反射シートのことです。

シルバーポリとも呼ばれます。農業分野では、主に光線不足の解消や地温上昇の抑制などに使用されています。

シルバーシートの使用用途

シルバーシートは、光線不足の解消、果物などの着色、地温上昇の抑制、及び害虫対策、保温・防湿、日焼け防止などの用途があります。

1. 光線不足の解消

農業ハウスでは、光線不足になりやすいので、シートを地面に敷いて反射光を利用します。植物の葉は、主に表側の面に光を受けて炭酸同化作用で生育しますが、裏側の面でも、効率は悪いですが光を受けて養分を作るので、生育面で効果が出ます。

2. 果物などの着色

果樹園では、シルバーシートを敷いて乱反射光を果実に照射することで、生成された養分が糖を作り、アントシアニンを生成して果実が着色され糖分も上がります。

3. 保温・日焼け防止

水稲の育苗には、シルバーシートを苗の上から被せ、保温と日焼け防止に使います。

シルバーシートの特徴

長所

シルバーシートは、シートに含まれるアルミニウムが光を反射することにより、アブラムシやハモグリバエ、アザミウマなどの害虫に対する忌避効果を発揮します。また、比較的雑草を抑える効果もあるので、草刈りの回数だけでなく、除草剤・殺虫剤など農薬の使用回数も軽減されます。

一般的な農ポリと比べてべたつきにくく、換気がしやすいのが特徴です。

短所

他の種類のマルチと比較すると高価です。光線を反射するので、作業の際には日に焼けないように帽子やサングラスを付けるなど、日焼け防止対策が必要です。

シートの厚さに規格があり、厚みが薄いと破ける可能性があります。厚いと丈夫で長持ちはしますが、重くなるので持ち運びが大変である上、マルチに穴を開ける際に手間がかかります。

収穫終了後になると、所々破けたり、シートの上に土が被っているので、片付けに手間がかかります。

シルバーシートの種類

農業用マルチシートは主に、幅が95cm・135cm・150cm・180cm・210cmといくつかの規格があり、シルバーシートも同様です。厚さも規格があり、0.02mm~0.03mm、長さは200mが一般的です。

シルバーシートに含まれるアルミニウムの形状はメーカーによって異なり、平織の織物に接着したタイプは、強度に優れ、アルミニウムの消失を防ぎます。通水性能については、防水、通水、透水、透湿などさまざまです。また、遮光率の高いものは、白ネギの軟白化に用いられたり、水稲育苗専用のものなどがあります。

シルバーシートの選び方

基本的に植える作物の種類や大きさ、植え方、畝の幅や高さが変わります。それによって使用するシートの幅も変わります。 例えば、95cmの規格は、畝幅60cm〜80cm、135cmのものだと、畝幅100cm〜120cmというように、畝の表面だけでなく側面もきちんと覆うように、少し余裕をもたせたサイズが最適です。

また、幅が広すぎて、畝間まで落ちてしまうと、人が通った際に踏んで破れる可能性があります。

シルバーシートの使い方

シルバーシートを使うにあたり、張る前の準備、張り方、仕上げ、それぞれの工程を丁寧に行うことが重要です。ハウス内だと問題ありませんが、露地の場合、風のある日だとシートが飛ぶ可能性があるので、風のない日を選らんだ方が無難です。

張る前の準備として、耕運・畝立てをし、数日間ならしておきます。畝の表面を丁ならし、凹凸のないようにしておくのがポイントです。凹凸があると、作物がうまく育たない原因にもなります。シルバーシートを張る開始点に押さえをし、飛ばないようにキーパーやピンなどで仮止めをします。

空気ができるだけ入らないように、ロールを転がすようにして広げます。シートを巻いている芯に棒を通して、通した棒の両端に紐を結んで引っ張ると、楽に作業することができます。その際に、シートの中心と畝の中心ができるだけ合うように広げることが、きれいに仕上げるコツです。

終点まで伸ばしたところで、シートをピンと張り、クワやカッターなどでカットします。開始点と同様、押さえで仮止めします。風で飛ばないよう、クワやトンボなどで畝間の土を使って、側面や表面に土寄せをし、抑えていきます。ここで表面に土を乗せすぎると、そこから草が生える可能性もあるので注意が必要です。

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