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苦土石灰とは

苦土石灰 (くどせっかい) とは、ドロマイト (CaMg(CO₃)₂) と呼ばれる鉱物を原料とし、加熱・粉砕して粉状または粒状に形成した石灰資材の一種です。

主な成分は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムで、マンガンやホウ素などの微量要素も含まれます。苦土はマグネシウム、石灰はカルシウムを指します。

苦土石灰の使用用途

苦土石灰は、主に、酸性に傾いた土壌のphを中和して、カルシウムやマグネシウムなどの栄養素を農作物に補給するために使用されます。農作物は、弱酸性 (ph5.5~6.5) を好む場合が多いです。土壌の酸度が強いと、毒性の強いアルミニウムを溶出し、根の成長を妨げます。また、リン酸と結びついて作物が吸収できない状態になり、生育する上で様々な障害をもたらす可能性が高いです。

雨が降ると土壌中のアルカリ分が流出するため、降雨量が多い日本では酸性に偏りやすい傾向にあります。さらに、プランターなどの狭い範囲で作物を栽培する場合、土の劣化が早くなり、酸性に傾きやすくなります。そこで、アルカリ性である苦土石灰を土にまくことで、土壌の酸度・phを調整することが可能です。

ただし、農作物の種類によって生育しやすいph値が異なるので、苦土石灰の量を調節する必要があります。また、カルシウムやマグネシウムを補給することによって、農作物の根の成長を助けたり、葉緑素を作り葉が黄色くなっていくのを防いでくれます。

苦土石灰の特徴

長所

苦土石灰の適切な散布により、土壌のph値を安定させることができます。また、カルシウムやマグネシウムを補給することによって、植物の根の成長や葉が枯れていくのを防げます。他の石灰資材と比べると、栄養素のバランスがよく、初心者でも扱いやすい資材です。

短所

使用方法が適切でないと、アルカリ性に傾きすぎてしまいます。鉄やマンガンなどが欠乏し、植物に悪影響を及ぼしたりする可能性が高くなります。

苦土石灰の種類

苦土石灰の種類は、大きく分けて粉状と粒状のものがあります。粉状の方が水に溶けやすく、土に混ざりやすいので比較的効果が速く現れます。粒状は、粉状と比べ効果は遅く現れますが、その分長く続きます。

粒の大きさや苦土の割合に多少の違いはありますが、基本的にはどの製品でも成分に大きな違いはありせん。また、粉状も粒状も使用量は変わりませんが、使いやすさを考えると、粒状の方が風に飛ばされにくく、手で撒きやすいです。

苦土石灰の選び方

前述した通り、効果の暖効性、使いやすさを考えると粒状がおすすめです。価格面を考えると、粉から粒へ加工する工程が入る分、粒状の方が比較的高いです。そのため、施肥面積が広い場合は粉状がよいでしょう。また、粉状は水分で固まりやすい性質があります。家庭菜園で使う場合は、使いきれる少量のものを買うようにしましょう。

苦土石灰の使い方

苦土石灰の使用量は、10aの畑で考えると年間50~100kgを目安とされています。ただし、苦土石灰の効果は、土壌の質とこれから植える予定の農作物によって異なるため、事前に土壌診断としてphを測定しておく必要があります。

堆肥や他の肥料と同時に使用すると、苦土石灰のアルカリ成分が他の肥料に含まれるチッソと反応してアンモニアガスを発生させてしまうため、2週間程度の間隔を空けるのが望ましいです。また、苦土石灰の効果が表れるのに約1~2週間かかるので、農作物を植える2週間くらい前にまいておくことをおすすめします。

粉状のものを使用する場合は、できるだけ風のない日を選びましょう。まき方としては、苦土石灰を畑に均一にまき、土と十分に混ぜ合わせます。まいた石灰をそのままにしておくと、雨などで濡れて固まり、土壌が固くなる可能性があるので、すぐ混ぜ合わせるのがポイントです。

その際に、散布機を使ってまいたり、耕運機などで混和したりすると効率的に作業が終わります。皮膚に触れると炎症を起こす可能性があるので、手袋やゴーグルなどでしっかり防御しましょう。残った場合は、袋の開封口をビニル紐などでしっかり閉じて、湿気の少ない場所で保管します。

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