PPテープとは
PPテープとは、ポリプロピレン製素材で作られた紐状またはテープ状の資材のことです。
耐久性が高く強度があり、長さ方向への引っ張りに対して伸びにくい特徴があるため、主に段ボールの荷造りや梱包、結束などに使用されます。また、ポリプロピレンは耐水性に優れるため、屋内・屋外での使用に適しています。さらに、耐油性や絶縁性をも有する素材です。
なお、PPテープは広義で粘着性を持つテープを指すこともありますが、本記事では紐状のPPテープに特化して解説します。
PPテープの使用用途
PPテープは、一時的な梱包・結束用として、非常によく用いられる製品です。段ボールなどの梱包や新聞紙の結束など、様々な対象物を梱包・結束するための紐として使用されます。
また、農業用品・工業用品・引っ越し時の小物の結束にも用いられるほか、スポーツ用品や釣具など、レジャー用品としても有用です。農業での使用例としては、支柱同士の固定に使用したり、農機具をブルーシートで包んだり、野菜等の収穫物の結束などが挙げられます。
PPテープの特徴
PPテープは、玉巻ひもと呼ばれる中空状に巻かれた形状や、テープ状に巻かれた形状で取り扱われます。PPテープは適度な柔軟性を有しており、結びやすくほどけにくい特徴があります。
また素材として吸水・吸湿性がないため、カビや菌などを嫌う場所でも用いることが可能です。
長所
- 長手の繊維方向への強度が高く、耐久性に優れている
- 軽量で、コンパクトに収納できる
- 適度な柔軟性に富むため、様々な形状に対応できる
- 酸やアルカリへの耐薬品性に優れる
- 耐水性があり、湿気や雨による劣化が少ない
- 低価格であるため、大量に使用する場合でも経済的
短所
- 火や熱に弱く、高温下での使用には向かない
- 紫外線による劣化があるため、長期間の屋外使用には適さない
- 短手の繊維方向には弱く、容易に裂ける
- 紐状またはテープ状のため、デザイン性に欠ける
PPテープの種類
PPテープは、用途によって形状の種類がいくつかあります。共通して軽量であり、巾は5mm~50mm程度、長さは100~500mを超える製品など様々です。
また、色は白・ピンク・黄・緑・黒などがあり、仕分け用にも使えます。
1. テープタイプ
テープタイプのPPテープは、ポリプロピレン素材が平たいテープ状に加工されており、各種荷造りや結束、農作業での使用に適しています。木材のように角がある形状の物品を結束する際は、幅広タイプのPPテープが最適です。屋外での長期使用で劣化を遅らせるには、黒色のPPテープをおすすめします。
2. ロープタイプ
ポリプロピレン素材をロープ状にしたタイプのPPテープです。ロープタイプは強度がありながらも結びやすく、支柱同士の結束や重量がある対象物の結束に向いています。
3. ベルトタイプ
巾が広いベルト状のPPテープで、荷物を固定するためのベルトとして、またカバンなどの持ち手ベルトなどに利用されます。ベルト状のPPテープは、平織・綾織・袋とじ織り・シート織・バーバリー織など様々な織り方で製造されています。厚みは0.5~2.2mm程度、巾は2~50mm程度と様々なサイズが販売されており、希望の長さにカットされたPPテープの購入も可能です。
PPテープの選び方
PPテープを選ぶ際には、使用用途に合わせた形状を選ぶことが重要です。また、強度にも注目し、梱包する荷物の重さに合わせて、適切な強度のPPテープを選ぶ必要があります。
一般的なPPテープの色の多くは白ですが、色分けにより便利に活用できます。例えば、引っ越し荷物を配置する部屋ごとに、色違いのPPテープを段ボールや荷物に巻き付けておくと作業の効率性向上につながります。
PPテープのその他情報
PPテープの使用上の注意
PPテープの端が、ほつれたりバラついたりして使いにくいことがあります。PPテープ素材のポリプロピレンが火に弱い性質を利用し、あえて端の部分をライターの火で瞬間に炙ると、端を固められます。
ただし、長時間炙ると全体が燃えてしまうため、実施の際は十分に注意してください。