軟鋼線材

軟鋼線材とは

軟鋼線材

軟鋼線材とは、炭素の含有率が、約0.12~0.30%の炭素鋼線材のことです。引張強度では、490未満のものです。記号では、SWRM(Steel Wire Rod Mildより)と表記されています。

現在、炭素の含有量の違いにより、「SWRM6」~「SWRM22」の8種類の線材が販売されています。炭素の含有量が低いため、高い強度が求められるものには向きません。また、強度にばらつきがあるため、高度な品質が求められる冷間加工用にも向いていません。そのため、主に小ねじなどに使用されています。

軟鋼線材の使用用途

軟鋼線材の用途は、主に釘や細物の伸線用として使用されています。具体的には、釘・ワリピン・リベット・鉄線・有刺鉄線・亜鉛メッキ鉄線・溶接金網・建築金具・小ネジ・木ネジ・ボルト・ナットなどに利用されています。

炭素の含有量が低く、精度にばらつきがあるため、精密さが求められる用途で使われることはありません。また、冷間加工を行う場合には、冷間圧造用炭素鋼線という専用の線材があるため、低温環境下でも使用されることはありません。

軟鋼線材の特徴

軟鋼線材には、炭素の含有量の違いにより、現在「SWRM6」~「SWRM22」の8種類の線材があります。
「SWRM6」:炭素の含有量の上限が0.08%に設定された特別極軟鋼です。柔らかく、延性に優れています。普通鉄線の材料や釘やワリピンの素材として使用されています。
「SWRM8」:炭素の含有量が0.10%以下に設定された極軟鋼です。柔らかく、伸びが良く、加工しやすい素材です。鉄線や釘の材料として使われています。
「SWRM10」:炭素の含有量が0.08~0.13%の鉄鋼材料で、線材として規格されているものです。硬引鉄線の素材として利用されています。
「SWRM12」:炭素の含有量が0.10~0.15%の鉄鋼材料です。硬引鉄線の素材として使用されています。
「SWRM15」:炭素の含有量が0.13~0.18%の軟鋼線材です。
「SWRM17」:炭素の含有量が0.15~0.20%の軟鋼から半軟鋼に該当する鋼材です。
「SWRM20」:炭素の含有量が0.18~0.23%の半軟鋼です。
「SWRM22」:炭素の含有量が0.20~0.25%という、軟鋼と硬鋼の境界に位置する半軟鋼に分類されています。軟鋼線材の中では、もっとも硬度、引張強度に優れている素材です。

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