溶接構造用圧延鋼材

溶接構造用圧延鋼材とは

溶接構造用圧延鋼材とは、その名前の通り、溶接接合に使用されている鋼材のことです。もともと造船用として、開発された鋼材であることから、「Steel」と「Marine」の頭文字を取り、「SM400B」「SM490C」などと表記されています。

数値は、引張強さの最低保証値を表しています。また、最後のアルファベットは、グレードを表し、A、B、CとCに行くほどグレードが高くなります。
溶接構造用圧延鋼材は、降伏点や引張強さ、化学成分の違いにより、現在11種類の鋼材があります。

溶接構造用圧延鋼材の使用用途

溶接構造用圧延鋼材は、主に溶接部材に使用されています。もともと造船用として開発された鋼材であることから、ほとんどが船体に使用されていました。

かつては、柱や梁などの剛接合時に建築用としても使用されていました。しかし、建築構造用圧延鋼材も溶接性に優れていることから、現在は、利用が減りつつあります。

近年、船体以外に、パイプラインや産業機械、発電プラントなどの社会インフラ関連にも非常によく使用されています。

溶接構造用圧延鋼材の特徴

溶接構造用圧延鋼材は、化学成分・降伏点・引張強さなどの性能の違いにより、現在以下の11種類の鋼材が販売されています。「SM400A」「AM400B」「SM400C」「SM490A」「SM490B」「SM490C」「SM490YA」「SM490YB」「SM520B」「SM520C」「SM570」

溶接構造用圧延鋼材は、一般構造用圧延鋼材(SS材)と添加成分が似ていますが、一般構造用圧延鋼材はリムド鋼、溶接構造用圧延鋼材は、キルド鋼から生成されています。

キルド鋼とは、溶融状態の鋼にケイ素やアルミニウムなどの脱酸剤を加え、酸化物を取り除いた鋼のことです。脱酸をしないものがリムド鋼になります。脱酸することで低温でも靭性を保つことができます。

そのため、―10℃から350℃の温度範囲で使用できます。末尾のB、C種は、衝撃試験を実施しており、低温じん性を保証しており、脆性破壊を起こさないタイプの鋼材です。A種は、耐候性・強度に優れたタイプの鋼材です。

Y種は、SM490A及びBクラスよりも降伏点が約40N/mm2程高く設計された鋼材です。長期間使用される橋梁や土木分野での使用を目的としています。

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