圧延鋼材

圧延鋼材とは

圧延鋼材

圧延鋼材とは、鋼片を二本以上のロールによって、押しつぶしながら、引き延ばし、板状にしたものです。比較的安価で、板状の材料であるため、「曲げ加工」「プレス」「板金加工」に適しています。機械強度を必要としない、外装やカバーなどによく利用されています。

圧延鋼材は、圧延する際の温度により、大きく2種類に分けられます。熱間圧延で得られたものを熱間圧延鋼材(SPHC)、冷間圧延で得られたものを冷間圧延鋼材(SPCC)と言います。

圧延鋼材の使用用途

圧延鋼材には、用途により、「一般構造用圧延鋼材(SS材)」「建築構造用圧延鋼材(SN材)」「溶接構造用圧延鋼材(SM材)」の3種類の鋼材があります。

一般構造用圧延鋼材は、建築の主要部分や溶接部材以外で、最も汎用的に用いられている鋼材です。

建築構造用圧延鋼材は、塑性変形能力の高い鋼材であることから、主要な柱や大梁などに使用されています。

溶接構造用圧延鋼材は、溶接性に優れた鋼材です。梁同士を接合する際に使われています。

圧延鋼材の特徴

圧延鋼材には、圧延する際の温度により、大きく「熱間圧延鋼材」「冷間圧延鋼材」の2種類に分けることができます。

熱間圧延鋼材は、金属を約1000℃から1200℃に加熱して、圧延することで得られた鋼材です。高温で圧延することから、比較的小さな力で圧延できること、結晶構造が強固となり、粘り強い鋼材が得られるなどのメリットが挙げられます。一方、高温であるため、酸素と結合して、表面に酸化被膜を生じたり、寸法精度が落ちるなどのデメリットがあります。

冷間圧延鋼材は、常温で圧延することで得られる鋼材のことです。常温であるため、なめらかで光沢のある表面が得られることと、寸法精度が高いことがメリットとして挙げられます。一方で、加工に大きな力を必要とすること、加工硬化が発生する可能性があること、酸化しやすく、表面処理が必要などのデメリットが生じます。

あまり使われていませんが、冷間と熱間の中間をとった、「温感圧延」というものもあります。

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