ベルトラッシング

ベルトラッシングとは

ベルトラッシング

ベルトラッシングとは、荷物を締め付けて固定するためのバックル付きのベルト器具をいいます。

加重するトルクに応じて固定するカムバックル式とラチェット機構を備え、反復に応じてベルトを締め付けるラチェット式があります。ラチェット式は、通称で「ガチャ」とも呼ばれ、産業界のみならず個人消費者向けにも需要は高まっています。

用いられるベルトは、ナイロン系やポリエステル系の素材が多く、当然のことながら引っ張り強度には優れている必要があります。

ベルトラッシングの使用用途

軽自動車やトラックの荷台に大きな荷物を載せて運搬する際に、走行中の振動や急ブレーキ時の加重から荷台上で荷物が動いて破損したりするのを防ぎ、荷台上に安定して固定するための器具として用いるのが代表的な使用用途です。

ベルトラッシングとよく対比される器具にベルトスリングがありますが、こちらは荷物の締め付け用途ではなく、荷物の運搬、特に吊り上げや吊り下げ時によく使用され、両方とも大切な荷物にとってはまさに命綱ともいえる存在です。

ベルトラッシングの原理

器具を構成するベルトの種類については、ナイロン系やポリエステル系が多く、硬さと吸水率の低さではポリエステルがナイロンを凌ぐ性質を有しています。ナイロンは、しなやかで伸びが大きい特徴を有しており、破断に至る引張強度はポリエステルを上回ります。

締め付け部の代表例のラチェット式に関しては、一方向の回転のみを伝え、反対の回転は伝えない機構をいいます。回転時ギアに爪がかかり、その運動を伝え、逆回転時にはギアが爪にかからずに空転するため、ベルトラッシングでは締め付け方向にのみ力が加わるのが特徴です。自転車の後輪などにもラチェット式の機構は用いられています。

ラチェット式で荷物の締め付けが強すぎて破損する可能性がある場合には、カムバックル式が用いられます。衣服のベルトでもよく用いられる機構であり、適切なトルクをバックルに伝えてカムの力でベルトを固定する原理です。締め付け強度は、低いですが、バックル器具を軽量にできます。

この他にも、宅配業者がよく利用する箱車内において、カゴ台車の固定などで金具を折り返して固定したり、ラチェットとカムの中間のオーバーセンターバックル方式もあります。

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