災害用ドローン

災害用ドローンとは

災害用ドローンとは、災害発生時に情報収集や人命救助活動を支援する目的で開発された無人航空機です。

一般的な空撮用ドローンと比較して、過酷な環境下でも安定して飛行できる高い耐久性を有します。雨天や強風の中でも制御を失わない防水・防塵性能や耐風性能を備えているモデルが多く存在します。また、長時間の飛行に耐えられる大容量バッテリーや、夜間でも周囲を確認できる赤外線カメラを搭載している点も特徴です。

人間が立ち入るには危険な倒壊家屋の内部や、土砂崩れによって寸断された道路の先など、地上からのアクセスが困難な場所へも容易に接近できます。有人ヘリコプターでは近づけない狭いエリアでも活動が可能です。したがって、二次災害のリスクを最小限に留めるとして注目を集めています。

災害用ドローンの使用用途

災害用ドローンは以下のような用途で使用します。

1. 状況把握

災害用ドローンは人が立ち入れないエリアへ先行して進入し、被害状況を撮影するために使用します。高解像度カメラを用いて地形の変化や家屋の倒壊状況を記録し、リアルタイムで映像を伝送します。取得したデータを基に現場の状況を正確に把握することで、二次災害のリスクがある危険箇所を特定する際にも役立ちます。迅速な情報収集は救助計画を立てる上で欠かせない初動対応です。

2. 捜索

瓦礫の下や山間部など、視界の悪い場所に取り残された要救助者を見つけ出すためにも使用します。赤外線カメラを搭載した機体であれば、周囲との温度差を検知して人間の体温を捉えます。これにより、肉眼では発見が困難な夜間や、煙が立ち込める現場でも効率的な捜索活動が可能です。

3. 救援物資輸送

道路の寸断により車両での行き来ができなくなった孤立地域へ、緊急物資を届ける手段として活用します。水や食料、医薬品といった緊急性の高い物資を搭載し、被災者の元へ空輸します。有人ヘリコプターが着陸できないような狭い場所や危険な場所であっても、上空から安全に物資を届けます。物流が途絶えた状況下において、被災者の生命を維持するための重要な補給ルートを確保します。