LVL木材とは
LVL木材とは、薄くむいた木板を繊維方向を揃えて何層にも重ねて接着した木材です。
LVLはLaminated Veneer Lumberの略であり、単板積層材とも呼ばれます。構造用に開発された木質材料の一種です。製造工程では丸太を薄い板に加工して乾燥させた後、板の繊維方向が平行になるように重ねて高温に圧着して作る仕組みです。天然の木材が持つ節や割れといった欠点を製造段階で除去できる点が特徴です。このため、品質のばらつきが非常に少なく、どの部分でも均一な強度を保てます。
また、製造時に長さや厚さを自由に設計できるため、一般的な木材では難しい長尺の部材や特殊な寸法の材料を供給できます。反りやねじれ、乾燥による収縮といった変形が起こりにくく、寸法安定性にも優れています。
LVL木材の使用用途
LVL木材は以下のような用途で使用されます。
1. 建築物
LVL木材を最も多く利用されるのが、住宅や商業施設といった建築物の骨組みです。具体的には、建物の荷重を支える柱や梁や土台などに使用されます。繊維方向を揃えて積層されているため、特に曲げに対する強度が高く、長い距離を支える梁や桁への適用に有利です。品質が均一で強度計算がしやすいため、安全で信頼性の高い建築物を建てることが可能です。
2. 内装・造作材
構造躯体だけでなく、建物の内部を仕上げるための部材としても採用されます。寸法安定性が高く、施工後の変形が少ないため、窓枠や階段の踏み板といった精密な加工が必要な箇所に最適です。また、カウンターの天板や棚板などにも利用されます。表面に美しい木目の単板を貼ることで化粧材としての価値も高まり、意匠性を求められる場所でも活躍します。
3. 家具・梱包材・工業製品
強度と加工のしやすさから、テーブルやベッドのフレームといった家具の骨組みとして利用されます。また、重量のある機械や製品を輸送する際の梱包材や、荷物を載せるパレットの材料としても最適です。その他、トラックの荷台の床板など、工業製品の部材としても採用されています。