チップコンベア

チップコンベアとは

チップコンベアとは、工作機械から排出される切りくずを自動で搬送するコンベアです。

工作機械は金属などの材料を加工する機械であり、その過程で必ず切りくずが発生します。この切りくずは放置すると機械の故障や加工精度の低下、または怪我の原因となります。チップコンベアはこの切りくずを効率的かつ安全に処理するための装置です。

切りくずの形状や材質に応じて、蝶番のような板で運ぶヒンジ式やスクリューで運ぶスクレーパ式など、様々な種類が存在します。対象となる切りくずの特性や工作機械の種類、工場のレイアウトなどを考慮して選定することが重要です。チップコンベアを導入することで工場のクリーン化や切削油の回収と再利用に繋がり、コスト削減や環境負荷の低減に貢献します。

チップコンベアの使用用途

チップコンベアは以下のような用途で使用されます。

1. 自動車部品の製造

エンジンなどの自動車部品は、金属の塊を加工して製造します。この加工工程では旋盤などの工作機械を使用し、大量の切りくずが発生します。特に鉄やアルミニウムの切りくずは鋭利な形状になることが多くあります。チップコンベアはこれらの切りくずを機械から途切れることなく排出し、生産ラインの停止を防ぐ仕組みです。

2. 建設機械の製造

建設機械のアームといった大型の部品加工においても、チップコンベアは重要な役割を果たします。建設機械はチタン合金や特殊鋼など、硬くて削りにくい難削材から作られることが一般的です。チップコンベアの活用により、手作業で切りくずを取り除くことによる火傷や怪我のリスクを低減し、安全な作業環境の維持に貢献します。

3. 電子部品の製造

スマートフォンや医療機器などに使われる電子部品の製造現場でもチップコンベアが活用されます。これらの分野では粉末状の切りくずが発生する点が特徴です。製品に切りくずが付着すると動作不良の原因となるため、クリーンな製造環境を保つことが重要です。チップコンベアでこのような微細な切りくずも逃さず捕らえ、外部へ排出します。