ホッパとは
ホッパ (hopper) とは、粉体や粒体、液体などの材料を一時的に蓄え、必要なタイミングで下方へ排出する装置のことです。
基本構造はシンプルで、傾斜を設けて重力により対象物を順次供給するものです。日本では単体の製品として販売されるだけでなく、射出成形機や包装機、建設機械などの一部として組み込まれるケースも多く見られます。
ホッパは用途に応じて材質や形状はさまざまです。例えば食品分野では衛生面を考慮したステンレス製、建設分野では耐久性に優れた鋼製、研究分野では小型で清掃性に優れたタイプなどがあります。サイズも卓上の小型から工場全体で使う大型まで幅広く展開されていますが、共通する役割は材料を安定して供給し、工程を効率化することです。
ホッパの使用用途
ホッパは以下のような用途で使用されます。
1. 産業機械分野
工場の製造ラインでは、プラスチック樹脂ペレットや化学原料を射出成形機や押出機へ供給するためにホッパが利用されます。これらは乾燥機やフィーダーと組み合わせることで原料の品質を保持しつつ、安定した投入を実現します。また機械の組立ラインにおいて、ねじなどの小物部品の供給にも、ホッパが用いられます。特に自動化が進む製造業において、ホッパは効率化に不可欠な装置です。
2. 食品産業分野
食品工場では、小麦粉や砂糖、コーヒー豆、米などを一時的に蓄え、計量機や包装機へと供給するためにホッパが用いられます。食品用ホッパは衛生管理が求められるため、ステンレス製が多く、洗浄や分解が容易にできる製品が主流です。大量生産ラインから小規模な製菓工場向けまで、用途に応じた製品が販売されています。
3. 建設・土木分野
建設現場では、コンクリートやアスファルトを流し込む際にホッパが使われます。これらは大型で耐久性の高い鋼製のものが中心で、クレーンや生コン車と組み合わせて利用されるケースが一般的です。安全性と作業効率を両立させるため、頑丈な設計が重視されています。
4. 農業分野
農業分野でのホッパの役割は、肥料や飼料を一時的にためて散布機や供給装置に送り出すことです。対象物が粉末か粒体かによって設計が異なり、流動性に応じて形状や排出口の大きさが工夫されています。農機メーカーからは、小規模農家向けから大規模畜産業向けまで多様なホッパ製品が販売されています。