グラスライニング

グラスライニングとは

グラスライニングとは、金属の製容器や機器の内面にガラス質の釉薬 (エナメル) を焼き付け、強い耐食性・耐薬品性を持たせる加工サービスです。

金属の強度とガラスの耐薬品性を併せ持つハイブリッド構造を実現でき、化学薬品・腐食性物質・高温環境にさらされる設備に最適です。加工後は表面が滑らかになり、付着物が残りにくく、衛生面にも優れています。

グラスライニングは、反応槽・貯槽・熱交換器・撹拌タンクなど、多くの産業設備で利用されます。特に化学・医薬・食品分野では、薬品の影響を受けず、金属溶出が避けられることから、品質維持と設備寿命の延長に大きく貢献します。また、メンテナンス性にも優れており、内部洗浄がしやすく、運用コストの削減につながる点も重要なメリットです。

グラスライニングの用途

グラスライニングは、主に以下のような用途で使用されています。

1. 化学プラントでの反応槽・貯槽

腐食性の酸・アルカリ・溶剤を扱う装置に施工し、金属の劣化を防止します。高い耐食性により設備の安全性と長期の耐久性を確保でき、結果として装置の寿命延長とメンテナンス負担の軽減に貢献します。

2. 医薬品製造設備の保護

薬品との反応や金属イオンの溶出を防ぎ、製品の純度を維持します。耐薬品性と洗浄性に優れ、衛生管理が求められる医薬品製造の現場で高品質を確保するための重要な保護する処理として採用されています。

3. 食品加工タンクの衛生確保

食品に触れるタンクや配管に施工することで、臭いや汚れの付着を防止します。非吸着性により衛生的な環境を維持しやすく、清掃の時間や洗浄コストの削減にもつながるため、食品製造の設備で広く利用されています。

4. 水処理設備・薬液タンクの耐久性の向上

薬品を扱う水処理工程や薬液タンクで腐食を抑え、安定した運用を継続できます。耐食性によりタンクの損耗や漏洩リスクを低減し、設備トラブルの発生を抑制することで維持管理コストの削減にも寄与します。

5. 金属部材の耐薬品性の付与

特殊用途の金属部品にグラスライニングを施すことで、強い耐薬品性と耐久性を確保できます。腐食する環境下でも性能を維持でき、長期での使用が求められる装置部品の信頼性の向上につながるため、さまざまな分野で活用されています。