防火シャッタとは
防火シャッタとは、火災時に炎や煙の拡散を防ぎ、避難や延焼防止のために設置される防火設備です。
通常時は開口部を開放したまま利用できますが、火災感知器や熱センサーと連動して自動的に閉鎖し、区画を遮断します。鋼板やステンレス鋼が多く用いられ、耐熱性や気密性を確保した構造が特徴です。
建築基準法に基づき、防火区画や主要な構造部の開口部への設置が義務付けられる場合があります。オフィスビルや商業施設、工場など多くの建築物で採用されています。
従来の重量シャッタに加え、軽量化や自動制御機能を備えた製品が普及しています。さらに煙感知連動や避難安全性を高めるための途中停止機能など、法規制や安全基準に準拠した高機能化が進んでいます。
防火シャッタの使用用途
防火シャッタは、火災被害を最小限に抑えるため、建物の用途に応じて幅広く活用されています。主な用途は以下の通りです。
1. 商業施設
大型ショッピングモールや百貨店では、店舗間や通路に設置されます。火災発生時にエリアを分割し、煙や炎の拡散を防止することで避難経路の安全を確保できます。平常時は開放性を保ちながら、緊急時には自動的に遮断できる点が重要です。
2. オフィスビル
エレベーターホールや共用廊下に防火シャッタが配置されます。火災による縦方向の延焼を防ぎ、フロアごとに火災を区画できます。これにより避難時間を確保できるうえ、消火活動の効率が向上します。
3. 工場・倉庫
工場や物流倉庫では、広い空間を持つ建物特有のリスクに対応するために防火シャッタが導入されます。可燃性の物質や大量の製品が保管されている環境では、火災の拡大防止が特に重要であり、耐火性と自動閉鎖機能を兼ね備えたシャッタが必須です。
4. 公共施設
病院や学校、駅など人が多く集まる施設では、避難安全性の確保を目的に防火シャッタが設置されます。煙の流入を抑える防煙機能付きのタイプや、視認性を高める窓付きシャッタが多く採用されています。利用者の安全を最優先とした設計が求められる分野です。