高演色LEDとは
高演色LEDとは、まるで自然光のような光を放つ製品です。演色性とは光源が色の見え方に及ぼす性質のことで、光源がどのような波長の光を放つかによって変わります。色の見え方が太陽光に近いほど演色性が高く、高演色LEDの光があたったものは太陽光に近い色の見え方になります。
一般的なLEDを用いた場合、自然光で照らされた対象物とLEDで照らされた対象物を比較すると色味の違いを感じます。この原因は演色性の違いによるものです。演色性は平均演色評価数(Ra)という指標によって評価します。
Ra値が100に近いほど自然光で見た色味に近くなり、値が低いほど自然光で見た色味との差が見られます。LEDの演色性は、Ra80以上の製品が一般的で、高演色LEDでは、Ra90以上の製品が主に取り扱われています。
高演色LEDライトの種類
高演色LEDは基本的には一般的なLEDと同様であるため、場所を問わず様々な環境で使うことができます。
例えばレストランなどの飲食店においては、素材や料理の色味によってお客様の美味しさへの印象も変わる可能性があります。またアパレルショップでは店内で展示されている洋服の色味と、屋外で着用したときの色味が異なればお客様の満足度が下がるかもしれません。
このように色味がユーザーに与える印象は大きいことから、高演色LEDは様々な場面で使われています。また、業務用のみならず家庭用の照明においても自然光に近い見た目になる高演色LEDはユーザーに好まれており、部屋の照明用途などで販売されています。
- 蛍光灯
オフィスや商業施設、博物館や美術館などの蛍光灯ソケットにそのまま取り付けられる高演色LEDが販売されています。これらの製品は既存の照明器具、ホルダーを改造せずにそのまま取り付けられるため、導入コストを抑えたLEDへの交換が可能です。
また、Raのみならず各色の演色評価数も高い高演色LEDも販売されており、印刷所など色味が非常に重要な業界を中心に用いられています。
- シーリング
蛍光灯型の高演色LEDのほか、部屋の天井照明として用いられるシーリング型の高演色LEDも販売されています。こちらも従来の照明器具、ホルダーを交換すること無く使用することが可能で、家庭のリビングやキッチンなどの用途で販売されています。
また在宅勤務を行う方々が増えてきたことに伴うウェブ会議の増加を受け、表情が明るく見える高演色LED照明が家庭でも用いられることがあります。
- ワークライト
小型のワークライトにも高演色LEDが使われています。印刷所の校正室や部屋で写真撮影を行うとき、ネイルサロンなどの美容系サロンなどでは色味が非常に重要です。このような場所で色味を確認したい対象に直接光を当てる際にワークライトが使われています。
USB充電式のワークライトも販売されており、場所を問わずに使うことが可能です。
高演色LEDチップ
LED照明はLEDチップと点灯回路から構成されており、軽量で小型、衝撃に強く長寿命など様々な利点があります。
光はLEDチップから出力されており、通常のLEDでは青色LEDと黄色の蛍光体、もしくは赤、緑、青のLEDを組み合わせることで白色光を出力します。ただし、青色LEDと黄色の蛍光体を組み合わせた白色LEDは赤みが少なく、自然光とは同じような色味を出しません。
そこで高演色LEDでは青色LEDと緑と赤色の蛍光体を用いたり、赤、緑、青色のLEDを用いて白色光を作ります。そのほかにも3色のLEDに白色のLEDを付加することでさらに演色性を向上させた製品なども販売されています。
- 高演色LEDペンライト
上記の通りLEDチップは非常に小型であることから、ペンライトなどの小さな照明器具にも使うことが可能です。
高演色LEDも小さなチップとして販売されており、高演色LEDを用いたペンライトも販売しています。出力光の強度も大きいため、暗闇での作業であったり、医療従事者の方々が用いるペンライトとしても使用されています。