エキスパンドメタル

エキスパンドメタルとは

エキスパンドメタルとは、一枚の金属板に切れ込みを入れてから引き延ばし、網目状に加工した金属製品です。

金網のようにワイヤーを溶接したり編み込んだりするのではなく、母材をそのまま展開するため、継ぎ目がなく一体構造である点が最大の特徴です。その結果、軽量でありながらも高い強度を備え、さらに通気性や透光性も確保できるため、多くの分野で活用されています。

金属板の厚みやリブ幅、長手方向の寸法、短手方向の寸法 の組み合わせによって、強度や見た目、機能が大きく変わるのが特徴です。鋼製のエキスパンドメタルにはJIS G 3351があり、網目によってグレーティング (XG) とスタンダード (XS) が規定されています。ステンレス、アルミ、チタンなどの材質含めて、様々な仕様の製品が販売されています。

エキスパンドメタルの使用用途

エキスパンドメタルの利用範囲は非常に広く、建築、土木、工業、さらにはデザイン分野にまで及んでいます。

1. 建築分野

建築分野では、外壁やルーバー、バルコニーの手すり、フェンスなどに多用されます。通気性や採光性を確保しつつ、適度な視線遮蔽も可能であり、機能性とデザイン性を兼ね備えた建材の一つです。外観を意匠的に演出できることから、現代建築のファサードデザインにも活用されています。

2. 土木分野

土木分野では、側溝の蓋や歩道のグレーチング、橋梁の点検歩廊など、安全性を確保するための床材として用いられます。網目の凹凸が自然と滑り止め効果を生むため、雨天時や作業現場においても安心して歩行できるのも特徴の一つです。

3. 工業分野

工業分野においては、機械の安全カバーやフィルター、換気口部材などに多く利用されます。強度を持ちながら通気性を保てる特性があるので、機械の安全性と効率性の両立に貢献します。また、軽量で加工が容易なため、製造現場での取り扱いが便利な点も重宝されています。