樹脂判別センサー

樹脂判別センサーとは

樹脂判別センサーとは、プラスチック製品に含まれる樹脂の種類を識別するための装置です。

主流となっているのが、近赤外線 (NIR) を利用した判別方式です。樹脂は、分子構造の違いによって、近赤外線を照射した際の吸収や反射の特性が異なります。この特徴を利用し、樹脂ごとの光のパターンをセンサーで分析することで種類を瞬時に見分けられます。

近赤外線を照射することで、ポリエチレン (PE) ・ポリプロピレン (PP) ・ポリスチレン (PS) ・ポリエチレンテレフタレート (PET) ・塩化ビニル (PVC) など、主要な熱可塑性樹脂を高精度で識別可能です。近赤外線方式は非接触でスピーディーに判別できるため、大量処理が求められる産業現場で特に重宝されています。

樹脂判別センサーの使用用途

樹脂判別センサーは、産業廃棄物処理やリサイクル、製造業など幅広い分野で活躍しており、効率化と品質向上、さらには循環型社会の実現に欠かせない技術として注目されています。

1. 産業廃棄物業者

産業廃棄物処理の現場では、解体工事や工場から出る混合プラスチックを処理しなければなりません。樹脂判別センサーを導入することで異なる樹脂を効率よく仕分け、リサイクル可能なものと、焼却・埋立処理すべきものを迅速に分けられます。これにより処理コストを削減できるだけでなく、リサイクル率の向上にもつながります。

2. リサイクル業界

家庭や企業から回収されるプラスチックごみは、見た目では区別が難しく、従来は人の目視に頼る場面もありました。樹脂判別センサーを利用した自動選別システムを導入すれば、搬送ライン上を流れるプラスチックをリアルタイムで判別し、種類ごとに振り分けられます。これにより、PETボトルや食品トレー、包装容器などを効率的に分別でき、再資源化の品質とスピードを大幅に向上させられます。

3. 製造業

製造現場では、原料に異なる樹脂が混ざると成形不良や品質不良の原因となります。樹脂判別センサーを導入することで、受け入れ段階でのチェックや製品出荷前の検査に活用でき、不良品の発生を未然に防止できます。