地震解錠ボックスとは
地震解錠ボックスとは、建物が揺れたときに扉や防災倉庫の鍵を自動で解放する装置です。
平常時は内部に保管された鍵を盗難などから守る堅牢な鍵付きの箱として機能します。しかし、大きな地震が発生すると、内部に組み込まれた感震器が揺れを検知し、自動的にロックを解除する仕組みです。一般的には振子や金属球が地震に合わせて動き、錠のラッチにぶつかるなどして開放する構造です。電気を必要としない機械式の製品が多く、停電時でも確実に作動し、電池切れの心配もありません。
この製品により、鍵の管理者がその場にいない場合や、混乱した状況で鍵を探す手間を省くことが可能です。誰でも速やかに必要な鍵を取り出すことができるようになります。災害時の人命救助や被害拡大の防止に寄与するとして採用が進んでいます。
地震解錠ボックスの使用用途
地震解錠ボックスは以下のような用途で使用されます。
1. 集合住宅
マンションなどの集合住宅では、災害時の円滑な避難が極めて重要です。地震解錠ボックスは共用部分の鍵を保管する目的で使用されます。オートロックのエントランスキーや屋上へ続く扉の鍵などが保管の対象です。地震解錠ボックスを設置しておくことで、住民や救助隊が迅速に避難経路を確保できるようになります。
2. 企業・各種施設
オフィスや工場といった施設では、事業の継続や利用者の安全確保のために地震解錠ボックスが活用されます。医薬品を管理する保管庫や非常用備品を収めた倉庫など、緊急時にこそ開ける必要のある場所が鍵の保管対象です。地震解錠ボックスにそれらの鍵を保管しておけば、担当者が不在でも利用者の保護をスムーズに進めることができます。
3. 公共施設
町内会施設や学校などにおいても、地震解錠ボックスは重要な役割を果たします。これらの施設には救助用具や非常食などが保管されていることもありますが、災害時に鍵を持つ担当者と連絡が取れるとは限りません。これらが保管される防災倉庫の鍵を地震解錠ボックスに保管しておくことで、地域住民の誰もが必要な時に物資を取り出し、共助による救助活動や避難所運営を速やかに開始できます。