LSI設計とは
LSI (Large Scale Integration) 設計とは、集積回路 (IC) を大量のトランジスタを使って高密度に集約する設計工程を、外部の専門企業やエンジニアが代行・支援するサービスです。LSIは、パソコンやスマートフォン、家電製品、自動車、医療機器など、あらゆる電子機器の中核を担う重要な半導体部品であり、その設計は極めて高い専門性と精度を求められます。
LSI設計を提供する企業は、回路設計からレイアウト設計、検証、試作、量産支援まで、幅広いプロセスをカバーします。こうしたサービスは、自社に半導体設計のノウハウやツールがない企業、あるいは設計リソースが不足している企業にとって、開発スピードの向上やコスト削減に大きく貢献するものです。
LSI設計の使用用途
LSI設計は多岐にわたる業界・用途で利用されています。
1. IoT技術関連
LSI設計が利用される最も代表的な用途の一つは、IoT技術に関する分野です。スマートフォンを含むモバイルデバイスなど、私たちの日常生活に広く普及している機器はもちろん、ものづくりからさまざまなサービスまで、デジタル機器が活用されるようになりました。生成AIの普及も、LSI設計の需要に大きく関わっています。
2. 自動車産業
現在の自動車においてはエンジンやトランスミッション、電気自動車ならモーターの制御に、LSIは欠かすことができません。今後は自動運転や先進運転支援システム (ADAS) に対応した半導体チップの開発においてもLSI設計が活用されています。
3. 産業機器・医療機器
産業機器や医療機器など、特定用途向けのカスタムLSI (ASIC: Application Specific Integrated Circuit) を必要とする分野でも、設計サービスの活用が進んでいます。これにより製品の小型化・高性能化・低コスト化が実現され、競争力の強化に繋がっています。