スイベルジョイント

スイベルジョイントとはスイベルジョイント

スイベルジョイント (英語:swivel joint) とは、回転運動や上下・左右・前後方向の直線運動をする機械部に、水や空気、油などの流体を供給するための配管用継手です。

これとよく似た機構で、ロータリージョイントと呼ばれる回転継手があります。一般的に、ロータリージョイントは連続回転に対応するための継手であり、工作機械の主軸のように高速で回転する機械部の配管に使われます。

一方、スイベルジョイントは、旋回できる角度の上限が決まっているものが多く、決められた範囲内の角度で旋回運動をする機械部に取付けられます。

スイベルジョイントの使用用途

スイベルジョイントは、工作機械や建設機械などによく使用される部品です。例えば、機械装置内にあるX・Y・Zの3方向に直線移動するスライド部に低圧または高圧の流体を供給する場合、スイベルジョイントが使用されます。移動に合わせてジョイントの角度が変化し、スライド部のスムーズな動きを阻害することがなくなります。

可動パイプラインは、複数のスイベルジョイントとパイプを組み合わせて構成します。可動範囲を定めて使用し、製鉄圧延装置・ホットプレス・タイヤプレス・ダイカストマシン・射出成形機などの用途があります。

ホースリールには、手動で回転させる程度の低回転に対応できるスイベルジョイントが使われます。また、自動車では、スピードメーター・タンクローリー・クレーン車などに使用することが多いです。機械装置だけでなく、免震構造を持った建造物の配管にも使用されることがあります。

スイベルジョイントの原理

回転機構として、スイベルジョイントの軸部には鋼球またはベアリングが内蔵されています。滑らかな回転を維持できるように、グリースニップルから一定量のグリースを定期的に補給するタイプが一般的です。

また、軸部と本体の間は、流体の漏れを防ぐため、パッキンでシールされています。高圧の流体で使用する場合はより高いシール性が必要となるため、ダブルシール方式を採用したタイプが主流となっています。

スイベルジョイントのメリットは、回転機構があることで配管の自在な動きを可能にすることです。一方で、軸部と本体に分かれた分割構造となっていることから、継手自体の強度が弱くなるデメリットもあります。回転部にはスラスト・ラジアル荷重やモーメント荷重がかかるので、充分な強度を持つ設計が必要です。

スイベルジョイントのその他情報

1. クレーンに使用されるスイベルジョイント

可動部の送液ラインに使用されるスイベルジョイントは、クレーンなどの重機にも使われます。クレーンなどの重機は移動するキャタピラなどの下部と旋回する上部に分かれます。この上部と下部を繋いでいるのがスイベルジョイントです。

スイベルジョイントの機構を用いることで、クレーンなどの重機の動きが可能となります。同様の機構であるロータリージョイントを使用する場合もあります。

2. スイベルジョイントのシール

高圧のラインに使用されるスイベルジョイントには、軸部のシールとしてOリングなどが使用されます。一般的にOリングは1 本もしくは2 本です。高圧用には、ラビリンス用に複数本のOリングが使用されます。

さらに、サンフロンリングと呼ばれるものと組み合わせて使用することで、シール性を向上させます。組付けは、プレス機や油圧ジャッキなどを使用します。

3. スイベルジョイント方式による配管施工法

可動部に使用するスイベルジョイントの仕組みを利用した、配管の施工方法があります。配管に流れる流体が高温の場合、配管が温められ熱伸びが発生します。この熱伸びを吸収するため、スイベルジョイントを複数個使用する施工方法です。

90度のスイベルジョイントを複数個使用してUベンドのように配管形状にすることで、各スイベルジョイントが可動して熱伸びを吸収します。ステンレス系の配管の場合、鉄系に比べ熱伸びが大きいため、この方式が多く使用されます。また、保温材を使用する場合の施工法があり、ローラー・ゴムバンドで配管を支持することも行われます。

参考文献
http://www.sgk-p.co.jp/products/swiveljoint/use/
https://www.yanmar.com/jp/construction/tips/column/basis_02.html
https://www.benkan.co.jp/value/construction/737.html

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