スパイラルダクト

スパイラルダクトとは

スパイラルダクト

スパイラルダクトは薄い金属のフレキシブルな特徴を利用して帯状の金属板を螺旋状に巻いて作られた安価なダクトです。スパイラルダクト薄く軽量ですのでビルや工場の様々な箇所に使用されており最もありふれたタイプのダクトです。

その他のダクトにはベローズタイプのフレキシブルダクトや塩化ビニルなどのプラスチックで作ったダクトなどもありますが、軽さと価格を考慮するととりわけ事情がない限りはエアダクトなどにはスパイラルダクトが使用されています。

スパイラルダクトの使用用途

空調のための冷たい、もしくは暖かい空気を部屋に送る際にはこのスパイラルダクトを通して送られます。他にも集塵や排煙のためのエアダクトにも使用されており、ビルや工場の天井や壁などによく見られます。

一般的には亜鉛鋼板がよく用いられており一般空調用として使用されていますが、耐腐食性や耐候性、さらには耐熱性を要求される場所にはステンレス板で作られたスパイラルダクトが用いられています。

他にも鋼板の両面を塩化ビニルで被覆した塩ビ鋼板で作られたスパイラルダクトなどもあり、酸性の雰囲気など金属では耐食性に不安がある箇所のダクトとして使用されています。

スパイラルダクトの原理

スパイラルダクトは螺旋状に丸めた金属板の両端をハゼ折に重ねて作られています。また、このハゼ折の構造が補強効果を生み出していますので、肉厚の薄いダクトでも高い強度が得られているという特徴があります。

スパイラルダクトの原理

図1. スパイラルダクトの原理

スパイラルダクトは金属板を丸めて作るので高い真円性が得られ、なおかつ内部が滑らかですのでダクト内を通る空気の摩擦が小さく、効率的な送風を行うことができます。

スパイラルダクトの直管同士は継手を用いることで繋ぎ合わせることも可能であり、分岐を用いることで複数方向にも分岐させることも可能です。太さの異なるスパイラルダクトも専用の継手を用いることで接続できるため、送風圧を制御したい場合に使用できます。もちろん、レギュレーターを設置することでも送風量は制御できます。

接続方式には差込方式とフランジ方式の二つがあります。差込方式は差込継手により接続を行い、ビスで固定、アルミテープなどでシールを行います。このため、現場で直接施工が可能であり、固定と角度修正が容易です。一方、フランジ方式は接続が安定しており脱着した後も再現性があります。このため、フランジ方式は高圧用や部材交換が多いところに適しております。

スパイラルダクトの接続方式

図2. スパイラルダクトの接続方式

スパイラルダクトは薄い金属板で高い強度があるため重量は軽く、天井に設置しても簡単に固定できます。このため、建物の形状に合わせて臨機応変に形状を作ることができ工期が速くなります。

このように安価で使いやすいため、スパイラルダクトは様々な場所で使用されています。

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