ディスプレイ光学測定器

ディスプレイ光学測定器とは

ディスプレイ光学測定器は、ディスプレイ測定機器に光の強度や分光特性、透過および反射特性といった光学的な要素を測定する仕組みを組み込んだ測定機器です。ディスプレイ測定機器においても光学的な要素を測定しますが、ディスプレイ光学測定器は、その測定により特化しています。

一般的な光学測定法は、さまざまなJIS規格に基づいて評価が行われています。例えば屈折率の測定に関する規格を挙げると、光学ガラスの屈折率測定方法としてJIS B 7071や光学ガラスにおける屈折率の温度係数の測定方法としてJIS B 7072などがあります。

これらの光学測定法をディスプレイ光学測定器に取り込むことにより、ディスプレイ測定機器よりもさらに詳細なディスプレイ特性について把握することが可能になります。

ディスプレイ光学測定器の使用用途

従来のディスプレイは、厚さや重さが大きく、ディスプレイの画質も波打ってしまうなど、さまざまな問題を抱えていました。しかし、近年においては、ディスプレイが小型化されており、厚みも薄く設計されています。また、ディスプレイの映像反映技術も進化しています。

例えば昨今において、よく利用されているディスプレイには、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイが挙げられます。

有機ELディスプレイは、発光方法として、ダイオードなどの素子そのものが発光することにより、色合いを表現しています。

一方で、液晶ディスプレイは、液晶の下にバックライトが備え付けられており、液晶の上に配置されたカラーフィルターを通過することにより、色合いを表現しています。

このようにディスプレイの発光方法は、多種多様な組み合わせが開発されており、デジタルカメラのディスプレイや電車の運行画面、航空機および軍艦など、その利用価値には制限がなく、映像反映技術もガラスや液晶などで異なります。

したがって、ディスプレイ光学測定器は、ディスプレイの技術が発達したことも相まって、さまざまな産業で活用されているといえるでしょう。

ディスプレイ光学測定器の原理

通常、カラーディスプレイなどの測光や色合いの測定では、色彩輝度計を利用します。色彩輝度計は、光学部や受光部、演算および制御部の3つから構成されており、光学部では、測定物からの入射光を主光路と接眼レンズ部から副光路へ導き、受光センサーにて検出します。接眼レンズ部では、主に焦点の調節を行い、測定角センサーを用いて視角を選択します。受光部では、光検出器(シリコンフォトダイオード)を用いて、XYZ表色系(CIE1931表色系)を直接測定します。

JIS規格では、ディスプレイの測定方法として「JIS C1006:2019 ディスプレイのぎらつき度合の求め方」が制定されました。しかし、この規格以外でディスプレイ装置に関する標準的な測定条件や方法、使用する機器については規定されていません。

カラーディスプレイの測定においては、機械的な特性や物理的な特性だけではなく、心理物理的な人間工学の観点から評価することも必要になります。つまり、輝度やRGB色度、色度範囲などに注目して定量的な測定を行うことが大切です。

ディスプレイ光学測定器には、前述した色彩輝度計などの機器特性以外にもディスプレイに必要な特性を付与した製品が販売されています。

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