ウェッジロックワッシャ―

監修:株式会社EMMAトレーディング

ウェッジロックワッシャーとは

ウェッジロックワッシャー

ウェッジロックワッシャーとは、片面にくさび形カム面と反対面に放射状のリブが施されたワッシャーをカム面が向き合う形で2枚1組として使用する回転緩み防止用のワッシャーです。

振動や衝撃が加わる環境下では、一般的な平ワッシャー、スプリングワッシャーだとボルトやナットが徐々に緩んでしまうことがあります。その点、ウェッジロックワッシャーはカム面の角度がボルトのリード角度よりも大きくなっているため、ボルト/ナットが回転ゆるみを始めようとしても、軸力が増加しセルフロックがかかります。 リブがボルト/ナットや被締結面に食いつき、カム面が噛みあっていることで回転ゆるみを確実に防止できる点が特徴です。

信頼性を要求される現場では、ボルトの緩みによる故障や事故を防ぐための手段として幅広く検討されています。

ウェッジロックワッシャーの使用用途

ウェッジロックワッシャーの仕組み

ウェッジロックワッシャーの機構

ウェッジロックワッシャーは、以下のような用途で使用されます。

1. 振動が発生する環境

振動が大きい機械設備や車両のボルト締結部で採用されるケースが多いです。発電装置や建設機械など、振動を繰り返す環境ではボルトやナットのゆるみが大きな課題となります。ウェッジロックワッシャーを組み込むことで、強い振動下でもボルトが持つリード角(β)より高く設計されたカムの角度(α)を乗り越えることできず、安定した締結状態を維持でき、事故や故障のリスクを低減することが可能です。

2. 高速回転や頻繁な衝撃が加わる環境

高速回転や頻繁な衝撃が加わる装置でも、ウェッジロックワッシャーの有用性が注目されています。たとえば、輸送機器や動力を伝達する機械では、回転力がネジ部にかかることで締結がゆるむ可能性が高まります。カム面を利用したくさび作用で、高負荷がかかる部位においても確実にボルトを回転ゆるみから守れます。しかし、メンテナンス時には簡単に取り外すことも可能で、取り付けた工具さえあれば簡単に緩めることもできます。一般的に締付トルクよりも低いトルクで取り外すことができるように設計されています。

3. 高重量が加わる環境

橋梁や鉄塔などの大型構造物においても、ウェッジロックワッシャーが導入される場合があります。重量物を支える場面では、風や地形の影響で複雑な外力がかかり、わずかなゆるみが安全性に直結するため慎重な設計が求められます。締結力を長期間維持できる特性が評価され、メンテナンスの頻度を抑えつつ、構造物の安定性を高める手段として利用される場合も多いです。

本記事はウェッジロックワッシャーを販売する株式会社EMMAトレーディング様に監修を頂きました。

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