電位計

電位計とは

電位計

電位計とは、回路の2点間の電位差によって、電位や電圧などを正確に計測できる機器です。

帯電した導体間の静電引力や静電反発力を利用することで、回路から電流を流しこまずに計測可能です。電位計の代表的な形式として、象限電位計と振動容量電位計が挙げられます。

象限電位計は金属製の可動片(4つに分割された円板間が針金でつり下げられている) によって測定し、電位のほかに微小電流、低力率 (供給電力中の消費電力の有効利用率が低いことの指標) などの測定にも利用可能です。

振動容量電位計は、入力と並列の電気容量を変化させることで直流の入力を交流に変換した後、更に増幅してその出力を読取るという仕組みです。しかし、取扱いに技能を必要とするため、近年ではデジタルマルチメーターが広く使われています。

電位計の使用用途

電位計は、通常の電圧計で評価が困難な場合によく用いられます。具体的な用途は、以下の通りです。

  • 内部の抵抗が高い電源における起電力を測定する場合
  • 結晶体、摩擦電気など圧電気のように高電圧であるものの電流がとれない場合
  • 電流を流せても陽極と陰極の分極が生じて、起電力の正確な値が測定できない場合

電位計は、一般的な電圧計と比較すると入力抵抗がKΩオーダーと非常に高いです。そのため、放射線や静電気、絶縁材料などの分野で電位、絶縁抵抗、電荷、微小電流の測定に使用されています。

電位計の原理

電位計は、静電気を計測する表面電位測定器の場合、静電誘導現象を用いて帯電した物体からの誘導電荷を電流に変換し、交流電圧値から帯電電位を測定しています。

表面電位測定器の測定部である表面電位のセンサは、静電誘導現象を利用しています。静電誘導現象とは、帯電した物体を導体に対して近づけた際に、帯電した物体に近い側に帯電した物体とは逆の極性の電荷が引き寄せられる現象のことです。

電位計において、静電界強度 (電場の強さを示す値で、帯電物体の帯電電位に比例する) を検出電極が受け取ると、誘導電荷が生じます。この静電界強度を振動電極で周期的に変化させると、誘導電荷も同調して周期的な変化をし、検出電極からアース(接地極)に変位電流が流れます。この際に流れた電流を抵抗により交流電圧信号に変換することで、帯電している物体の帯電電位を測定可能です。

測定される値は、距離、物体の大きさ、環境条件 (温度・湿度など) に影響をうけるため、これらの因子を一定にして比較検討を行う必要があります。

電位計のその他情報

1. 人体電位測定器について

電位計の中でも、特に人体の電位を正確に測定するための機器が、人体電位測定器です。人体電位測定器を用いると、測定した電位の値をもとに、作業者が持っている電子デバイスの帯電や工具類からの放電電流により、電子機器が破壊するかどうかを判定できます。

また、人体電位測定器により、リストバンドや静電マット、静電靴等の静電気対策がどの程度人体の電位を低減可能か評価することも可能です。

2. 酸化還元電位計の注意点

電位計の中でも酸化還元電位計の場合は、電極の中の塩化カリウムが析出し、先端部の穴をふさいでしまうため、電極の先端部を乾燥させないよう注意が必要です。水を平均化させるために、電極で水をかきまぜながら計測します。

仮に酸化還元電位計の数値が異常を示す場合は、水アカや酸化皮膜などの付着などが原因である可能性が高いです。水アカがセンサに付着した時は、先端部を柔らかいブラシのようなもので軽くこすって水道水で洗い流します。

それでも酸化還元電位の数値が異常を示す場合は、中性洗剤を希釈したものを柔らかいブラシなどにつけて洗うと良いです。酸化皮膜がセンサに付着した際は、検知極研磨剤を使う必要があります。

輸送中の揺れで酸素が発生するため、購入したばかりでも酸化皮膜ができることがあります。また、きれいな水を測定する場合は、酸素量が多いため酸化皮膜の形成に注意が必要です。

参考文献
https://kotobank.jp/word/%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E8%A8%88-102045
https://faq01.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/6107?category_id=406&site_domain=default

https://ureruzo.com/orp-info.htm

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