プロトコルスタックとは
プロトコルスタックとは、異なるネットワーク機器やシステム間で円滑にデータ通信を行うための仕組みです。
通信プロトコルが複数の層に分かれており、それぞれの層が異なる役割を担っています。これにより、異なるシステム間でも統一された通信が可能となります。代表的なモデルとして「OSI参照モデル」と「TCP/IPモデル」があります。OSI参照モデルは7つの層 (物理層からアプリケーション層まで) で構成され、理論的な基盤として用いられます。一方、実際のインターネット通信で主流となっているのがTCP/IPモデルで、こちらは4層構造を採用しています。
プロトコルスタックの使用用途
プロトコルスタックは、異なるハードウェアやソフトウェア環境でも統一された通信を可能にします。下記は使用用途の一例です。
1. インターネット通信 (TCP/IPモデル)
Webサイトの閲覧やメールの送受信など、日常的に利用するインターネットサービスはプロトコルスタックを基盤としています。例えば、WebブラウザがHTTP/HTTPSを使用してサーバーと通信し、その下でTCPが信頼性のあるデータ転送を行い、IPがデータの経路制御を担当します。これにより、世界中のネットワーク間で通信が可能になります。
2. 産業オートメーション
工場の自動化や産業機器のネットワーク化においても、プロトコルスタックが活用されています。製造業では、センサー、ロボットアームなどがネットワークを介して連携しています。リアルタイム通信が求められるため、産業用ネットワーク向けのプロトコルスタックが利用されます。
3. モバイル通信 (5G・LTE)
スマートフォンやIoTデバイスの通信にも、プロトコルスタックは使用されています。5Gのような移動体通信では、多層のプロトコルが組み合わされています。これにより、高速なデータ通信や安定した接続が実現できます。