監修:アイオン株式会社
PVAスポンジとは
PVAスポンジとは、ポリビニルアルコールという合成高分子から作られたスポンジ素材です。
PVA (英:Polyvinyl alcohol) は、親水性が高い合成樹脂で、これを原料とするPVAスポンジは水分を迅速に吸収し、保持する能力が高い素材です。これらの特性に加え、Wet状態では柔らかいタッチと弾性を持っていることにより、洗浄、ふき取り、吸水、保液等でその効果を発揮します。
PVAスポンジの使用用途
PVAスポンジは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
1. 産業用
産業用の多くの製造プロセスでPVAスポンジは利用されています。特に、洗浄工程後の水切り、部品や機器のふき取り・清掃、洗浄用部材として、塗装工程などに使用されます。また、フィルターや吸音材としても使用されています。
2. 清掃用
PVAスポンジは清掃用具として多くのシーンで利用されています。高い吸水性と柔軟性を有するため、製造工程内の清掃や家庭内の掃除、洗車等で広く使用されています。水分をしっかり吸収し、表面を傷めることなく汚れを取り除くことができるという特徴があります。
3. 医療
PVAスポンジは医療用途として、血液や体液の吸収体としても使用されています。
4. 化粧用
PVAスポンジは洗顔やメイク落としに使用されることがあります。柔らかなタッチと優れた吸水性により、肌への負担を抑えながら化粧品や汚れを効果的に取り除くことができます。また、化粧品の水分を適切に保持するため、化粧品用のパフやスポンジとしても利用されています。
PVAスポンジの特徴
PVAは分子構造から親水性を有し、水分子と強い相互作用を形成します。これにより、スポンジ体を形成する連通多孔質構造で水を吸収し、保持することができます。
PVAスポンジの連通多孔質構造は、さまざまな方法での気孔形成法によって形成されます。スポンジ内に無数の小さな空洞(気孔)が存在するため、水を吸収するだけでなく、汚れや液体を効率的に捕えることができます。
また、柔軟で弾力性があり、手に持ちやすく様々な形状に変形します。これにより、スポンジが曲がったり圧縮されたりしても、元の形に戻る能力を有します。デリケートな表面を傷めることなく、効果的に汚れを取り除くことが可能です。
PVAスポンジの選び方
PVAスポンジを選ぶ際は、その使用目的、用途に合わせて検討する必要があります。連続した吸水を目的とする場合は、ロール形状、生産プロセスの速度、装置の仕組、水(液体)の量によってその形状を考慮することが必要です。また手作業で吸水、ふき取りをする場合はブロック形状、シート形状を選びます。
濾過に使用する場合は濡れても柔らかくならないタイプのものを選択することや、研磨材を混ぜて砥石として使用されるPVAスポンジもあり、製造プロセスのニーズに合わせたタイプを選ぶことが大切です。
本記事はPVAスポンジを製造・販売するアイオン株式会社様に監修を頂きました。
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