トラックスケール

監修:株式会社荘内計装

トラックスケールとは

トラックスケール

トラックスケールとは、フロアスケールの一種でトラックなどの車両を載せて重さをはかるための計量器です。

空車重量と総重量をはかることで、積み荷の正味重量を計算することが可能です。台貫や看貫などと呼ばれる場合もあります。金属・紙・砕石・資源・廃棄物の取引や過積載防止など様々な用途で使用されています。地中に埋め込むピット埋込み型や、地上に設置する地上設置型などの種類があり、用途・シーンに合わせて選定することが可能です。

国内での取引証明に使用する場合、検定付きのトラックスケールを使用する必要があります。また、検定付きのトラックスケールは、計量検定所等の公的機関が実施する定期的な
検査(2年に1度)を受けることが義務付けられています。

トラックスケールの使用用途

トラックスケールは、様々な施設において、積み荷の重さを量るために使用されています。主な利用施設に下記のようなものがあります。

  • ごみ処理施設 (リサイクル施設、中間処分場、最終処分場など)
  • 古紙金属回収業
  • 砂利砕石業
  • 電力ガス水道業
  • 化学工業
  • 土木建築業
  • 食品製造業
  • 生コンクリートプラント
  • アスファルトプラント

これらの業界において、入庫・出荷管理、在庫管理、配車管理などの際に、計量が行われます。例えば、産業廃棄物の中間処理業者などでは、搬入・搬出される産業廃棄物の量を重量で管理することが必要であるためトラックスケールが使用されています。また、ダムやビルの建築現場においては、トラックスケールで土砂等の搬出量を管理する場合があります。

その他、過積載防止の用途で高速道路や国道などの路上に設置されることもあります。

トラックスケールの原理

1. 概要

トラックスケールは、主に

  • 計量対象物を載せる計量台
  • 計測するセンサー荷重検出部 (ロードセル)
  • 重量を表示する表示部 (重量指示計) 
  • 印字記録装置 (プリンター等)

で構成されています。

2. 計量台

計量台は4隅などに、負荷を検知するロードセルが配置されている構造です。ロードセルは荷重によって生じる金属のひずみによる抵抗値の変化を検知し、電気信号として出力します。出力された信号は重量指示計に測定結果として出力されます。

3. ロードセル・重量指示計

多くのトラックスケールで採用されているデジタルロードセルは、計量精度や耐久性、メンテナンス性に優れていることが特徴です。また、重量指示計は、登録データの表示や、日報・月報の出力なども行う場合があります。

4. 外部接続機器

トラックスケールは、上記の基本構成に加え、各種外部接続機器を備えています。主な外部機器としては、集計処理用のパソコン、操作ポストの他、必要に応じて遠隔重量表示器、信号灯、遮断機、料金徴収機などが設置される場合もあります 。

トラックスケールの種類

1. ピット埋込み型と地上設置型

トラックスケールには、大きく分けてピット埋込み型と地上設置型とがあります。ピット埋込み型は、地中にピットを作り、トラックスケールを設置します。計量台面と地上面が同じ高さとなり、フラットに仕上げることが可能です。車輌の進入経路を容易に確保することができます。

地上設置型は、地中を掘削することなく地表面の上にトラックスケールを設置します。乗り入れ用のスロープを設ける必要がありますが、埋込用のピットを掘ることができない場所でも設置が可能です。また、基礎工事のコストが抑えられます。

また、ピット埋込み型・地上設置型共に、中央で分離されているセパレートタイプも製造販売されています。

2. その他

その他、トラックスケールは、載せ台の大きさ (幅・長さ) 、ひょう量 (計測可能な最大重量) 、目量 (最小表示・目盛り) など、様々な種類があり、用途に合わせて選定することが必要です。

更に、高機能な製品では、偏荷重の計測機能や、積荷の重心位置の解析機能などにより、バランスを量ることが可能です。パソコンと連携して計量データの集計ができる製品などもあります。また、タイヤ洗浄機能付きの製品では、環境保全対策を行うことが可能です。

また、防爆構造のトラックスケールも製造販売されています。可燃性ガス、蒸気、粉塵などの原因により、引火による爆発のおそれがある場所においては、火花や高熱が発生する可能性のある一般の機器は使用できないため、防爆構造のトラックスケールが必要です。

本記事はトラックスケールを製造・販売する株式会社荘内計装様に監修を頂きました。

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