エアメーター

エアメーターとは

エアメーターとは、生コンクリートに含まれる空気量を測定するための装置です。

コンクリートはその品質管理において空気量測定を行うことが必要です。空気量試験とは、コンクリートの中に混ざっている空気の量を測定する試験です。コンクリートの空気量は硬化後の耐久性や強度を大きく左右します。空気量が多いと施工性は上がるものの、過多になると強度が不足する可能性があります。エアメーターを用いた空気量測定により、適切な値を保持することが必要です。適正な空気量管理により、コンクリートの凍結融解や収縮によるひび割れの軽減が期待できます。

エアメーターの使用用途

エアメーターは、コンクリート材料試験の一環として行われる、生コンクリートの空気量測定に使用されます。

コンクリートの空気量は耐久性や強度に影響するため、正確に管理することが必要です。コンクリートに空気を混入させることによって、セメントペーストの体積が増大し、作業性が向上します。また、低温下ではコンクリート中の水が凍結して膨張しますが、この際に小さい粒径の空気泡が圧力の増加を吸収し、コンクリートの組織の破壊を防ぐ効果があります。一方で空気量の増大は強度低下の原因です。空気量が1%違うことで強度が約5%変動します。

コンクリート試験・検査会社や、土木建築業など、コンクリートを取り扱う業種一般で広く使用されています。

JIS A5308で規定されているコンクリートの空気量は、種類別に下記の通りです。

  • 普通コンクリート: 4.5±1.5%
  • 軽量コンクリート: 5.0±1.5%
  • 舗装コンクリート: 4.5±1.5%
  • 高強度コンクリート: 4.5±1.5%
  • その他(指定事項で定めた値): 指定値±1.5%

エアメーターの原理

1. 生コンクリートの空気量測定

ワシントン型エアメーターなどの一般的エアメーターを用いるコンクリートの空気量測定は、ボイルの法則 (体積と圧力が反比例する) に基づく測定です (空気質圧力方法) 。測定用容器に生コンクリートをいっぱいに詰め、取り付け金具を締め込んで密閉します。容器付属のポンプで加圧し、蓋に取り付けられているエアメーターを読み空気量を測定します。

2. 圧力測定の仕組み

ワシントン型エアメーターは、ブルドン管式、もしくは、ベローズ式であることが一般的です。

ブルトン管式は、C形、スパイラル、ヘリカルなどの形状を持つ金属パイプが圧力によって変形し、その変形を指針の動きに変換することで圧力を表示します。変化量の少ないものを増幅しているため、指針の動きがとぎれるように動きます。シンプルで頑丈な構造のため、耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を提供できることが特徴です。広い圧力範囲に対応可能であり、構造がシンプルなので、メンテナンスも容易です。

ベローズ式は、柔軟な金属製の蛇腹状の構造を持つベローズを使用した圧力計です。圧力が加わるとベローズが伸縮し、その動きを指針の動きに変換して圧力を表示します。変化量の増幅率が低いので、ブルトン管よりも指針の動きがスムーズです。低圧領域での測定や高感度の測定が可能ですが、一方で振動や衝撃には弱い構造になっています。

3. 計測容器へのコンクリートの詰め方

ワシントン型エアメーターなどの計測容器に生コンクリートを詰める際は、気泡等が入らないよう、一般的に次のような手順で容器に隈なく詰めます。

  1. 容器に試料を約 1/3 まで入れ、容器の底を突かないように各層を突き棒で 25 回均等に突きます。
  2. 突き穴がなくなり、コンクリートの表面に大きな泡 が見えなくなるように、容器の側面を 10~15 回木づちな どでたたきます。
  3. 容器の約 2/3 まで試料を入れ、 前回と同様の作業を繰り返します。
  4. 容器から少しあふれる程度に試料を入れ、同様の操作を繰り返します。
  5. 定規やへらなどで余分な試料をかきとってならし、コンクリートの表面と容器の上端とを一致させます。

エアメーターの種類

エアメーターにはワシントン型エアメーター、ローリング型エアメーター、デジタルエアメーターなどがあります。ワシントン型エアメーターが最も一般的であり、ブルドン管式とベローズ式とがあります。

ローリング型エアメーターは、一定量の生コンクリートを本器の中でローリングして水とよくかきまぜ、空気を追い出し、その量を測定して含有空気量を求めるエアメーターです。常温、常圧で行われるため軽量コンクリートの空気量測定にも使用できます。