産業用マザーボード

監修:富士ソフト株式会社

産業用マザーボードとは

産業用マザーボードとは、産業用途に特化して設計されたコンピューターマザーボードです。

産業用の場合は、耐環境性と信頼性が高い点が特徴です。高温や湿度、振動、衝撃などの厳しい環境条件でも安定して動作するように設計されています。。工場や屋外のような過酷な環境での使用が想定されています。

高品質な部品を使用し、厳格な品質管理のもとで製造されているため、長期間にわたる安定した動作が保証された製品です。医療機器や軍事用途など、高い信頼性が求められる用途でも広く使用されます。

産業用マザーボードの使用用途

産業用マザーボードは様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 製造業

製造業では産業用マザーボードが多くの自動化工程や製造機器に使用されます。耐環境性が高いため、工場内の過酷な環境条件でも安定して動作し、長期間にわたって信頼性が高いです。また、多くのI/Oポートや拡張スロットを備えている製品も多く、センサーや機器との連携も容易です。

2. 医療

産業用マザーボードはCTスキャナーや手術ロボットなどの高度な医療機器に使用されます。これらの機器は高い信頼性が求められるため、高品質な産業用マザーボードが適しています。当該製品の高い処理能力により、リアルタイムでの画像処理やデータ分析が可能です。

3. 自動車産業

自動車産業では産業用マザーボードが自動運転車や高度運転支援システムの制御装置内に使用されます。これらは高速な処理能力とリアルタイムでのデータ処理が求められる用途です。産業用マザーボードを使用することで車両内のセンサーやカメラから得られる大量のデータを迅速に処理し、正確な制御を行います。

また、車内はエンジンによる振動や高温にさらされることが多いです。耐熱部品を多く使用したマザーボードを使用することで、車載環境にも対応させることができ、過酷な条件でも安定して動作します。

4. 交通インフラ

交通インフラでも産業用マザーボードは幅広く使用されます。鉄道信号や空港の管制システムなどが使用の一例であり、交通の安全を確保するための重要な装置です。高い信頼性が求められるため、堅牢で高性能な産業用マザーボードが使用されます。

産業用マザーボードの原理

産業用マザーボードは信頼性や耐環境性に優れたマザーボードです。コーティングや高性能部品を使用することで、高温や振動などの過酷な環境条件に耐えるように設計されています。構造は通常のマザーボードと同様に、各種部品を接続し、相互に通信させるための基板となります。

マザーボードの中心付近には中央処理装置 (CPU) を取り付けるためのソケットを有します。CPUはシステム全体の計算処理を行う主要なチップであり、高性能なマルチコアプロセッサが使用されることが多いです。

CPUソケットの近くにはメインメモリモジュール用のソケットがあります。メモリはCPUが高速にアクセスして計算できるようにする一時保存領域です。産業用途ではリアルタイム処理や大量データ処理に対応するため、大容量で高速なメモリが求められることも多いです。

マザーボードの縁にはI/Oソケットが配置されています。USBポートやEthernetポートなどがあります。産業用マザーボードには、多様な周辺機器と接続するために、特殊なI/Oポートが搭載されていることも多いです。

産業用マザーボードの選び方

産業用マザーボードを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 処理性能

産業用マザーボードの処理性能は、使用するCPUとメモリに大きく依存します。高性能なプロセッサが必要な場合は、最新世代のIntel Core i7やi9、またはAMD Ryzenプロセッサを接続可能なマザーボードを選定することが必要です。また、大容量かつ高速なメモリを搭載することも重要で、最低でも8GB、理想的には16GB以上のメモリが推奨されます。

2. 耐熱温度

産業用マザーボードは、過酷な環境条件下での動作が求められます。そのため、動作温度範囲が広いことが重要です。-20°Cから70°Cまでの広範囲で動作可能なように設計がされた製品も販売されています。

3. 拡張性

産業用マザーボードの拡張性も重要な要素です。拡張カードを追加するためのPCIeスロットの数とタイプを確認します。また、高速ストレージやワイヤレスモジュールを追加するためのM.2スロットがあると便利です。

本記事は産業用マザーボードを製造・販売する富士ソフト株式会社様に監修を頂きました。

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