フェットトランジスタ

フェットトランジスタとは

フェットトランジスタとは、半導体の内部で生じる電解によって電流を制御する半導体デバイスです。

一般的にはFETと呼ばれていますが、電界効果トランジスタ (英: Field Effect Transistor) も同義の言葉として挙げられます。

トランジスタとは、電気信号を増幅させたり、ONとOFFを切り替えるスイッチングをする機能を持つ半導体素子のことで、フェットトランジスタもトランジスタの一種です。その他、バイポーラトランジスタ (BJT) 、絶縁ゲートトランジスタ (IGBT) などが挙げられます。

フェットトランジスタの使用用途

フェットトランジスタは電子機器内の集積回路において、必要不可欠な素子です。産業用機械から家電やスマートフォンなど一般家庭で使うデバイスまで、ほぼ全ての製品に集積回路が組み込まれており、フェットトランジスタも使われています。

フェットトランジスタは他のトランジスタに比べて少ない電力で駆動し、スイッチング速度が速く、温度安定性も良好であるのが特徴です。

フェットトランジスタの原理

フェットトランジスタにはいくつか種類が存在するものの、いずれも動作原理において半導体の特性を利用しています。半導体とは、金や銅、鉄などの金属のように電気をよく通す物質です。反対に電気を通さない物質は絶縁体と呼びます。

絶縁体にはゴム、ガラス、セラミックなどがあります。半導体は両者の中間的な特性があり、条件に応じて電気を流したり流さなかったり変化する物質です。また半導体には構造と特性からp型半導体とn型半導体があり、半導体の特性を変化させる電気伝導という現象を起こす要因が電子の欠損である正孔 (ホール) なのか、それとも自由電子なのかによって、p型半導体とn型半導体に分けられます。

フェットトランジスタの中身はp型半導体とn型半導体とを組み合わせて構成されており、電圧をかけることによって、電流をコントロールする働きが得られるデバイスです。また、トランジスタではソース 、ゲート、 ドレイン の3つの端子で構成され、ゲート電圧の大きさによってソース-ドレイン間の電流の流れを切り替えます。

フェットトランジスタの種類

フェットトランジスタには大きく、接合型電界トランジスタと呼ばれるJFET (Junction Field Effect Transistor) と、金属酸化半導体電界効果トランジスタと呼ばれるMOSFET (Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor) があります。いずれもNチャンネル型とPチャンネル型があり、MOSFETにおいてはエンハンスメント型とディプレッション型の2タイプがあります。

1. JFET

JFETはp型半導体のゲートにn型半導体を埋め込む、または逆にn型半導体のゲートにp型半導体を埋め込み、pn接合させたトランジスタです。例えば、Nチャンネル型JFETではp型半導体をゲートに用いて、土台をなくしています。

ゲートに電圧を印加していない状態では、ソースとドレインの間はn型半導体で接続されており、両者の間に電圧を印加すると電流が流れます。ゲートとソースの間にマイナス電圧を印加すると、電子は高電位のソース側に引きつけられ、ゲート近くのn型半導体に電子が存在しない空乏層が生まれます。

この場合、ソースとドレイン間に電圧が付加されていても、電流が流れることはありません。Pチャンネル型JFETではn型半導体と、p型半導体がNチャンネル型JFETとは逆に接合されています。

Pチャンネル型JFETではゲートとドレイン間にプラスの電圧を加えることによって、ゲート直下に空乏層を生成させ、ソースとドレインの間の電流が止まります。

2. MOSFET

MOSFETはp型半導体とn型半導体以外に、絶縁膜となる酸化膜を構成しています。MOSFETにおいても電圧によって電流を流したり遮断する役割は同じですが、空乏層ではなくソースとドレイン間にチャンネルを形成することによって、電流の流れを切り替えています。

フェットトランジスタのその他情報

フェットトランジスタ以外のトランジスタ

FET以外のトランジスタには、バイポーラトランジスタ (BJT) と絶縁ゲートドランジスタ (IGBT) があります。バイポーラトランジスタは電圧で駆動する他の2種類とは異なり、電流で駆動するのが特徴です。

駆動電流が大きくスイッチング速度は低速ですが、高耐圧化しやすいのがメリットです。IGBTは電圧駆動であり駆動電力も少なくて済みます。また、高耐圧化においてFETよりも容易です。