カメラ検査装置

監修:DUPLODEC株式会社

カメラ検査装置とは

カメラ検査装置とは、カメラを用いて対象物を検査する装置です。

一般的には、製品や部品の外観を撮影し、その画像を解析して不良を検出するのに使われます。これにより、製品の品質を保証し、不良品を早期に検出して生産プロセスの効率化や品質向上に貢献します。高精度の画像処理技術や機械学習アルゴリズムを使用して、微細な欠陥や不良を検出することが可能です。

また、カメラ検査装置を導入することで、人の手に比べて高速かつ効率的に作業を行うことができます。これにより、生産ライン全体の生産性が向上させることが可能です。リコールなどのコストも削減することができ、労働時間などを削減することができる場合もあります。

カメラ検査装置の使用用途

カメラ検査装置は様々な業界で導入されています。以下はその一例です。

1. 自動車部品

エンジン部品やボディパネルなどの自動車部品の表面に傷やへこみなどの欠陥がないかを検査するために使用されます。また、部品寸法を正確に測定し、製品の仕様に合致しているかどうかを確認することも可能です。最終的な組立ラインでは、部品の位置や方向を検査し、正確に組み立てられたかを検査します。

2. 電子機器

電子機器の製造工程ではプリント基板上の電子部品や配線の正確性を検査し、はんだ付けの不良や接続の問題を検出します。また、筐体やボディに傷や汚れ、割れなどの欠陥がないかを検査し、品質を確保します。動作試験中の挙動を撮影し、正常に動作しているかを確認するためにも使用することが可能です。

3. 医療機器

医療機器は厳格な管理下で製造されるため、精密な部品が多いです。これらの精密部品の製造品質を検査し、機器の信頼性を確保します。組立工程で部品の位置や取り付けが正確であるかを検査し、機能性を保証する場合もあります。

4.受託業

郵送物の封入や加工、発送業務を請け負う受託業において、個人宛に送付される発送物は個人情報やプライバシーに関わる情報が記載されている事が多く、発送前の検査が必要不可欠となっています。ハガキの宛名部分にある、OCR文字、郵便番号、バーコード情報を読み取り、連番検査、データログ、画像ログ保存を行い、品質管理を行っています。

5. その他

その他に食品検査や安全審査に使用される場合も多いです。食品業界では食品の外観や品質を検査し、異物混入や不良品を除外します。また、建築材料や電気製品の安全審査などに使用されることもあります。

カメラ検査装置の原理

カメラ検査装置は光学的な画像処理とデジタル画像解析を組み合わせた製品が多いです。検査対象となる対象物の外観をカメラで撮影します。カメラは可視光や赤外線、紫外線などの様々な波長の光を使用して画像を取得します。

カメラで撮影した画像はデジタル信号に変換され、画像処理ソフトウェアによって処理されます。その段階で画像の補正やフィルタリング、境界検出などが実行され、画像品質を向上させます。その後、事前に設定された基準やアルゴリズムに基づいて欠陥や不良を検出するために解析される仕組みです。

欠陥などが検出された場合には、一般的にアラームを発し、不良品を自動的に除去するように設定します。画像をオペレーターに表示し、最終的な判断を行うように設定することも可能です。

このようにして、カメラ検査装置は対象物の外観における欠陥を高速かつ精密に検出し、品質管理プロセスを効率化します。近年は画像処理技術の進歩により、高度な検査が可能になっています。

カメラ検査装置の選び方

カメラ検査装置を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 検査対象の特性

まず、検査対象物がどのような形状やサイズであるかを把握します。一般的な平らな表面の場合とは異なり、複雑な形状の部品を検査する場合は対応可能な装置が必要です。また、表面の質感や反射性、透明度なども重要な要素です。

2. 検査速度

検査速度は生産ラインの効率性と密接に関連しています。検査速度が遅い場合はラインが停止し、生産効率が低下してしまう危険があります。高速な画像処理技術を利用することで、短時間で多くの画像を処理し、高速な検査速度を実現します。

3. 精度

欠陥の大きさに対して適切な解像度を持つカメラを選択します。小さな欠陥を検出する場合は、高解像度のカメラが必要です。ただし、高精度の製品は処理が遅かったり、高価であることが多いです。

4. 信頼性

信頼性の高いメーカーからの検査装置を選択することが重要です。長期間にわたって安定した性能を有する製品を選定します。また、技術的な問題が発生した際に迅速に対応してくれるかも確認する必要があります。

本記事はカメラ検査装置を製造・販売するDUPLODEC株式会社様に監修を頂きました。

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