ナイロンチューブ

ナイロンチューブとはナイロンチューブ

図1. ナイロンチューブの概要

ナイロンチューブは、ナイロン樹脂で製造された、主に配管使用を目的とするチューブです。

様々な産業において、空気・水・潤滑油などの流体に対して使用されます。メリットとして、優れた柔軟性により容易に作業することができる点や、安価である点などが挙げられます。

製品にもよりますが、ナイロンという素材の特性から、耐圧性・耐熱性・耐薬品性・耐油性・耐振動性・耐腐食性に優れています。

ナイロンチューブの使用用途

ナイロンチューブは、従来使用されてきた、製などのパイプに代わるものとして、注油や空圧・油圧などの配管に使用されます。具体的には、油・空圧機器、集中潤滑機器、塗装機器、化学プラントなどにおけるチューブとして使用が可能です。

ナイロンチューブは、ナイロンの優れた柔軟性を最大限に生かすことで、狭いスペースの配管や、複雑な動線をとる必要がある配管にも使用できます。この他に、ナイロンの種類によっては、揺動部分などにも用いることができるより柔軟性に優れたものや、高圧性・耐薬品性に特化した特殊ナイロン製のものなどがあります。

ナイロンチューブの原理

様々なナイロンの構造式

図2. 様々なナイロンの構造式

ナイロンチューブは繊維素材のように、伸縮に対しても強度があり、強い摩耗耐性や靭性を持っています。一方で、熱、衝撃、薬品などに対する耐性が高いという特徴もあります。初めて開発された6,6ナイロンは、世界初の合成繊維として、広く普及しました。現在では、ポリアミドのことをナイロンと総称するのが一般的になっています。

ナイロン製品自体は6ナイロンや6,6ナイロンが一般的ですが、ナイロンチューブの場合は、ナイロン11やナイロン12が用いられることが多いです。これは、ナイロン11やナイロン12が衝撃などや温度変化などの耐性に優れているためです。

これらの名称中の数値はナイロンを作る際に使用されるモノマー原料の炭素原子の数に由来します。軟質ホースでは、柔軟性を持たせるために可塑剤を配合して製造され、可塑剤を配合しない硬質チューブは、硬質無可塑ナイロンと呼ばれます。この他にも、加工を加えて強化したナイロンなどを用いる場合もあります。

ナイロンチューブの選び方

軟質・硬質ナイロンチューブの性質

図3. 軟質・硬質ナイロンチューブの性質

ナイロンチューブは、製品によって、耐圧性・耐熱性・柔軟性が異なります。自分の用途に合わせた製品選びが重要です。

1. 軟質ナイロンチューブ

可塑剤の配合有無により、チューブの柔軟性が変わります。軟質ナイロンチューブは可塑剤を含有しており、柔軟性に優れています。耐圧性・耐熱性の点では、無可塑ナイロンより少し性能が落ちますが、高圧対応の製品もあります。また、主成分がナイロンであることに違いはないので、著しく性能が劣っているわけではありません。

ただし、塑剤を介して、樹脂中に含まれるモノマー、オリゴマーと言われる低分子量物がチューブ表面に析出して白い粉のように付着することがあります。一般的に耐圧、耐薬品性などの性能が低下するものではありませんが、将来的には柔軟性が低下していく傾向が見られます。

2. 無可塑ナイロンチューブ

可塑剤無配合のものは、無可塑ナイロンと呼ばれ、チューブは最も硬質になります。耐圧性・耐熱性も最も高く、高圧・高温での使用が可能です。

製品によっては様々な色の製品展開があり、配管ごとに異なる色のものを選択することで、色分けして区別することができます。ただし、耐候性の観点では黒が優れているため、特に選択の必要がない場合は黒色のチューブを推奨しているメーカーもあります。

また、薬品を流体として用いたい場合は、用いる薬品に対してチューブが耐薬品性を持っているかどうか、確認してから使用することが必要です。

参考文献
https://flobal.jp/694.html
https://www.hagitec.co.jp/arm/ar12.htm
https://i-maker.jp/blog/nylon-polyamide-5418.html
https://www.hagitec.co.jp/v_07nylon1.htm

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