基板ケース

基板ケースとは

基板ケースとは、プリント基板などの電子基板を収納・保護するために使用する筐体・収納ケースです。

プラスチックや金属など、様々な素材があり、また、外観や形状についても様々な製品が販売されています。単純な収納や保管を目的として使用される場合もありますが、筐体として使用し、ケース内に格納したまま基板を使用する場合もあります。

汎用のケースを使用したり、必要に応じて特注ケースを用意することがありますが、様々なサイズのケースとパーツの組み合わせでカスタマイズ性を高めた基板ケースもあり、そうしたものを活用すればコストパフォーマンスが高くなる可能性があります。

基板ケースの使用用途

基板ケースは、機器製作や、電子工作の分野において、プリント基板などの基板を内部に収納することに用いられます。過酷な条件下で使用する場合は防水タイプという選択肢もあるなど、外部の混入物や、事故による損傷や破損から基板を保護し、更に配線の整備をより安全に行うことも可能です。また電子機器の筐体として使用することで、使用者のケガや感電を防ぐことができます。

基板ケースを使用する目的は、

  • 基板の単純な保管収納
  • 透明ケースなどを用いた観賞用・ディスプレイ用としての収納
  • 輸送を目的とした保護
  • 基板の使用時における保護 (機器筐体など)

などが挙げられます。

基板ケースの原理

基板ケースは、使用用途に合わせて様々な組立形状をしており、シンプルなものでは、コの字型の上蓋と本体を組み合わせた形状をしています。そのままで開閉できるもの、ビスで開閉するタイプのもの、或いは、ハメコミ構成により簡単に開閉できないようになっているものなどがあります。

筐体など基板を収納したまま使用する場合は、放熱性の優れたものを使用することが必要です。また、基板に合わせた端子穴が必要であるため、元々ケースに加工されている端子穴以外にも必要な場合は、追加工にて別途穴あけ加工が行われる場合があります。

基板ケースの種類

基板ケースは様々なものが販売されており、用途に合ったものを選択することが必要です。

1. 材質

基板ケースの材質については、プラスチック、アクリル樹脂、アルミ合金、スチールなどがあります。

樹脂素材の中には、難燃ABS樹脂、耐熱ABS樹脂、帯電防止アクリル材などの機能性樹脂が使用されている場合もあります。

特徴としては、ファクトリーオートメーション向け電子機器では、難燃性規格”UL94-V0″の準拠が要求されることが多く、耐薬品性、難燃性の観点からABS樹脂を避ける傾向がります。

PC/ABSアロイ樹脂はハロゲンフローで難燃性は問題ありませんが、耐薬品性が高くないため、耐薬品性、難燃性の高いPA66樹脂、PC樹脂が選ばれることがあります。

2. 外観

基板ケースの色や外観は様々なものがあります。基板の様子がよく分かる透明ケースや、金属の質感を生かしたメタリックなものがあります。

色も、白やグレー、黒などのシンプルなものから、配色されたカラフルなものまで様々な製品から選ぶことが可能です。機器筐体として使用することを目的としたものは、デザイン性が高い傾向にあります。

3. 放熱性

基板ケースに基板を入れたまま機器として使用する場合は放熱性に配慮することが必要です。製品によって対策は様々ですが、主な対策には下記のようなものがあります。

  • 通気孔を設ける
  • 冷却ファンを使用する
  • アルミなどの放熱性の優れた素材を使用する
  • 熱対策用の専用ヒートシンクを用いる

放熱対策がされていないケースについても冷却ファンの増設により使用が可能になる場合もあります。ただし、冷却ファンの増設は補助的な対策になることが多いため、はじめから基板の使用を想定した基板ケースを使用する方が安全です。

4. 大きさ・端子

基板ケースには様々な大きさの製品があります。使用する基板の大きさに合わせて適切なものを選択することが必要です。基板ケース本体が中に格納できるようでも、基板ケースと基板の大きさが合っていない場合には、SDカードなどの取り出しや、ケーブルの取り回しが難しいことがあります。

また、端子穴も製品によって異なるため注意が必要です。単純な保管目的を想定したものは、穴が開いていません。製品によっては、基板取付位置がカスタマイズ可能になっており、様々な製品にフレキシブルに対応できる場合もあります。

5. 取り付け・設置

基板ケースの多くは、置いて使用することを想定されています。製品の中には、専用アクセサリを用いるなどの方法で、ブラケットや壁面への取付けが可能となるものもあります。主な設置方法は次のとおりです。

  • 卓上平置き
  • 卓上自立
  • 壁面取付け
  • DINレール取付け

その他、二段にスタックする方法や、VESAマウントインターフェイスに対応しているものなどがあります。

4. その他

その他には、特殊な機能を付加したケースなどもあります。例えば、高周波基板ケースは、高周波基板のシールドの役割となるケースです。

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