監修:エスブライト株式会社
アクリル加工とは
アクリル加工とは、アクリルと呼ばれるプラスチック材料の加工を指します。
アクリルはポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate)としても知られ、切削、加熱曲げ、プリントなどの方法を使用して加工できます。
ガラスに匹敵するほどの高い透明性を持つため、ディスプレイや展示ケースなど、視認性が重要な用途に適しています。また、耐候性にも優れており屋外での使用に適しています。
さらに、アクリルは比較的高い耐衝撃性を持つプラスチック材料の1つで、割れにくい性質があります。そのため、安全ガラスの代替品として広く使用されています。軽量で取り扱いが容易であり加工がしやすいため、クリエイティブな製品の製造にも役立ちます。
アクリル加工の使用用途
アクリルの透明性や耐候性が高いため、様々な場面でアクリル加工が実施されます。以下はアクリル加工の使用用途一例です。
1. 広告業界
アクリルは耐候性があり、長期間にわたって鮮明な印刷を保持します。したがって、屋外広告看板に使用されることがあります。レーザーカットやデジタル印刷を組み合わせて、高品質な広告看板を製作可能です。
また、アクリル製のポスターフレームも製造されます。商業施設や店舗において、ポスターや宣伝物を保護しながら展示するために使用されます。透明な外観により、ポスターを際立たせることが可能です。
2. インテリア
家具やテーブルトップ、部屋仕切りなどのインテリアをアクリル加工によって製作される場合も多いです。透明性と軽量性は空間を明るく見せ、開放感を演出します。また、照明器具のデザインにも使用され、光の拡散や均等な照明によって部屋全体を照らします。
3. 商業施設
商業施設やホテルのロビーでは、アクリルの透明なデスクが使用されることも多いです。透明でモダンな外観により、開放的な印象を与えます。アクリルはバーカウンターにも使用され、様々なデザインやカラーリングの製品を製造可能です。
4. 医療機器
アクリル加工は医療機器の製造に広く使用されます。手術用スクリーンや医療装置のカバーなどが製造されます。また、
歯科材料としてクリアブリッジや矯正装置などにもアクリルが利用される場合も多いです。
アクリル加工の原理
プラスチック材料の中でも加工が容易なアクリルは、多くの異なる加工方法が適用可能で、高精度の加工も可能です。これに対し、ポリカーボネートやポリプロピレンは、耐熱性や耐久性の点でアクリルに比べて加工が難しいことがあります。
低温での溶解特性があるため、アクリルは例えばレーザー加工の際に有利です。対照的に、ポリカーボネートは高温に耐える特性がありますので、高温下でのアクリルの使用には注意が必要です。
アクリルは曲げや穴あけが容易であり、加熱によって柔軟性が増し、特定の形状に成形することも可能です。
アクリル加工の種類
アクリル加工にはカットや彫刻、接着、印刷などの種類があります
1. カット・成形
カットや成形は、アクリルシートを所定の形状に変えるプロセスです。レーザーやCNCルーターを使用して、アクリルを切削します。熱加工を使用して、アクリルを加熱し成形することもあります。
2. 彫刻
彫刻はアクリルの表面に文字やデザイン、模様などを刻む加工方法です。レーザーや機械的な彫刻が使用されます。レーザーを使用すると彫刻の深さと精度を制御できます。機械的な彫刻は刃物やビットを使用してアクリルを削ります。
3. 接着
アクリルを接着剤で貼り付ける加工方法です。アクリル接着剤はアクリル表面を接着剤で覆い、接着剤が硬化するとアクリル同士が密着します。接着剤は透明なことが多く、シームレスな外観を維持することが可能です。
4. 印刷
アクリルに文字や模様を印刷する加工方法です。スクリーンプリントやデジタルプリント、UVプリントなどの印刷技術が使用されます。
スクリーンプリントはシルクスクリーンメッシュを使用してインクをアクリルに転送する方法で、色とデザインのカスタマイズが可能です。デジタルプリントはコンピューターによりプリンターする方法で、高解像度の画像を直接印刷します。UVプリントは紫外線硬化インクを使用して、高品質の印刷をアクリルに追加します。
本記事はアクリル加工を製造・販売するエスブライト株式会社様に監修を頂きました。
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