FBG

FBGとは

FBGとは、光ファイバ内部に対してレーザー光を照射することで形成される回折格子です。

ファイバ・ブラッグ・グレーティング (英: Fiber Bragg Grating) の略称であり、光ファイバのコア内に設置されます。FBGは光ファイバ内部を進行していく様々な波長の光の中でも、FBGの縞の周期 (屈折率) に適合した波長のものだけが反射される回折格子です。

この縞の周期は、加えられた圧力による歪や温度による伸縮によって変化します。それに伴い反射光の波長も変化するため、インテロゲータと一緒に使用することで、圧力や歪、温度などを測るセンサーとして用いられます。

FBGの使用用途

FBGは、高低温や高放射、高真空などの過酷な計測環境に非常に有効です。具体的な使用例として、高電圧ジェネレータにおける振動や温度の管理、変圧器における高温箇所のモニタリングが挙げられます。FBGは従来のセンサー技術が適用できないような計測環境でも有効な代替手段の1つです。

その他、風車におけるブレード監視、航空機の燃料タンクにおける負荷の監視、原子炉内における歪などの監視、宇宙船の監視なども用途として挙げられます。FBGを用いた計測は、必要なセンサー数が非常に多い場合や超長距離にまたがる設置が必要な場合でも可能です。

FBGの原理

FBGセンサーは光の測定を通して、温度や圧力による歪の変化を計測し数値化しています。これらのパラメータは反射光を取得し、その特性を計測することで算出しています。温度、歪、圧力の情報は光から取得するデータを元に計算し直すことで検出可能です。FBGは、歪や温度のダイレクトに検出する直接素子として機能してます。

なお、FBGはインテロゲータと一緒に使用されます。インテロゲータにて帰ってきた反射光の波長強度を計測し、数値化します。得られた波長の情報から、あらかじめ定められた係数によって温度、歪、圧力を計算する仕組みです。

このように、最終的には温度や歪、圧力を導出可能ですが、あくまで検出素子であるFBGによって直接取得しているパラメータは反射光の波長です。

FBGのその他情報

1. ブラッグ波長と波長シフト

入射光が光ファイバを伝ってFBGを通過する際に、回折格子の間隔に比例した波長成分が反射します。この特定の波長成分がブラッグ (英: Bragg) 波長です。

温度や歪、圧力によって、光ファイバが伸縮します。伸縮することで回折格子の間隔が変化するため、ブラッグ波長も変化します。ブラッグ波長の歪依存性及び温度依存性を使って、歪や温度変化の計測が可能です。

2. FBGの作成方法

FBGの作成手法は、ゲルマニウムをドープした光ファイバのコアに対して波長250nm前後の紫外光を照射を行う方法です。照射によって光誘起屈折率変化が発生し、光ファイバの屈折率が変化します。

光の照射を止めた後も屈折率の変化は持続しており、光ファイバのコアに紫外光の干渉縞を形成します。周期的な屈折率変化を書き込むことで、回折格子を光ファイバ内に作成可能です。

このようなFBGは、1本のファイバ内で複数のセンサ部を設けることが可能な点がメリットです。波長多重や時間多重などの手法があります。

3. 反射光の取得

前述の通りFBGは、インテロゲータと同時に使用する装置です。ここでは、インテロゲータが光を取得するまでのプロセスを説明します。

入射光をインテロゲータから光ファイバへ入射させます。この入射光は全反射を繰り返しながらコア内を進んでいき、やがてFBGへと到達します。

FBGに到達した入射光の一部はFBGによって逆方向へ反射される反射光であり、残りの光はそのまま通過する透過光です。この反射光はコア内を逆方向に進んでいき、やがてはインテロゲータへと戻ってきます。

参考文献
https://www.cmiws.jp/faq/fbg%E3%81%A8%E3%81%AF/
https://www.klv.co.jp/technology/what-is-fbg.html
https://www.hbm.com/jp/1629/fiber-bragg-grating-technology-explained/

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