防水ボックス

監修:フィボックス株式会社

防水ボックスとは

防水ボックスとは、防水・防塵機能を始めとする保護機能を持った電気機器等の収納ケースのことです。

電気機器や配電盤等を屋内外に設置する際には、防水、防塵対策を始め、関係者以外の不用意な接触を防ぐ目的などから、堅牢なケースに入れて保護しなければなりません。

設置場所に固定できる、機器につながる配線の引き出し口がある、開け閉めのためのドアと鍵があるなどの特徴があり、使用条件に合わせて適切なものを選べます。また、個別の要求に応じた防水ボックスを製造するメーカーがあります。

防水ボックスの使用用途

防水ボックスは、配電盤、無線装置、ブレーカー、メーター類などの電気機器やそれにつながるケーブル類を長期間に渡って保護するために使用します。

屋外では電柱や建物の壁などに取り付けられており、よく見かける例としては、信号機の支柱に信号機の操作盤を収納している防水ボックスなどがあります。その他では、携帯電話の中継用アンテナの下部にも関連機器が収納されています。

また、工場などの屋内では監視機器や制御機器などの機器を不用意な操作から守るために使われます。場所によっては機械から飛び散る水滴や粉塵から電気機器類を守ることも可能です。

このように、防水ボックスには防水・防塵の役目のみならず、機器類を故障や損傷、誤動作やいたずらから防護するためなど、広い範囲で機器を保護するために使用されます。

防水ボックスの原理

防水ボックスには、中に機器類を固定するための台、収納した機器類を操作するための開閉可能な扉や蓋、鍵、防水ボックス自体を固定するためのネジ穴等が備わっています。また、電気機器類で使用する電源コードや信号ケーブル、場合によっては水や空気を通す配管などのために、扉とは別の部分に穴が空いています。

長期に渡り中の機器を守り続ける防護力と気密性が要求されるため、防水ボックスに対しては、各国で様々な規格が定められており、それに基づいた認証試験が実施されています。

良く知られた規格に国際電気標準会議 (英: International Electrotechnical Commission, IEC) によって定められたIP規格 (英: Ingress Protection) があります。IP規格ではIPに続く2桁の数字で防塵性能と防水性能を表現しています。左側の数字が防塵性能に対する等級、右側の数字が防水性能に対する等級を現し、数字が高くなるほど保護性能が高いです。

一般的な防水ボックスは、防塵性能と防水性能の両方を求められるので、「IP34」など両方の等級が表示されています。また、防塵か防水のどちらかの認証を受けなかった場合にはxで表現されます。例えば、防塵規格の認証を受けていない場合には、防水性能のみをIPx7というように表現しています。

防水ボックスの種類

防水ボックスには、樹脂 (プラスチック) 製のものと金属製のものがあります。

樹脂製は電波を透過するため、IoTなど無線データ通信用機器を使用したい場合に最適です。また、防水機能が高く、軽くて加工しやすいです。金属製の防水ボックスは、ステンレス製やアルミニウム製、鋼鉄製で防錆塗装を施したものがあります。信号機の制御盤など、特に防犯の面から堅牢さが要求される場合には金属製の防水ボックスが使用されています。

形状や大きさは様々で、鍵を数本収納できる大きさのキーケースから、大型の配電盤を収納できるものまであります。また、ケーブル穴の位置や大きさも様々で、ケーブルを両方向に通すために2か所に穴をあけたもの等があります。

付加機能を持った製品では、扉を開けずに中の計器類が確認できるようにするために、扉の部分が透明なプラスチックになっているものや、アース線を接続するグランド端子を持ったもの等があります。

防水ボックスの選び方

防水ボックスを選択の際には、必要な防水性能と防塵性能を確認することが大切です。

使用場所によっては規格に基づいた使用が定められている場合があるため、規格を満たしたものを選ぶ必要があります。

また、ECサイトなどで既製品を購入する場合と、オーダーメイドで作成する場合があります。防護性能や形状に最適なものを求める場合や、独自の機能を付加したい場合、市販品の中に条件に合ったものが見つからない場合には、オーダーメイドの防水ボックスの制作を依頼することが可能です。

本記事は防水ボックスを製造・販売するフィボックス株式会社様に監修を頂きました。

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