ガラス飛散防止フィルムとは
ガラス飛散防止フィルムとは、ガラス破損時の飛散防止のために貼付するフィルムです。
人間や物がぶつかったり、地震や台風などの災害時に窓ガラスが割れた時、ガラスの破片が周囲に飛び散るのを防ぐ効果があります。
一般的なサイズの窓には50ミクロン程度の厚さのものを使用するのが主流ですが、防犯や飛来物対策用途の厚いものでは300ミクロンを超えるものまで様々な種類が存在します。2m2を超える大きな面積のガラスや、厚みのあるガラスに貼る場合は70ミクロン以上の厚さのものを使用することがあります。
ガラス飛散防止フィルムの使用用途
ガラス飛散防止フィルムには様々な商品があり、使用用途も多岐にわたります。
1. 地震対策
地震によってガラスが破損した場合、フィルムを使用するとガラスの破片の落下や飛び散りを防ぐことが可能です。通路に落ちたガラス片を踏んだり、窓に残るガラス片に触れることで起こる怪我 (二次災害) を防止します。
2. 衝突対策
ボール遊びや台風などによって物が外側から衝突した際、ガラスが飛び散るのを防ぎます。
3. その他の用途
ガラス片の飛散を防止し安全を確保する用途のほか、室内冷房補助のための日射調整、プライバシー確保のためのカラーフィルム、またデザイン性に長けた様々な柄の意匠フィルム、防犯対策のガラスフィルムなどが存在します。
ガラス飛散防止フィルムの原理
ガラス飛散防止フィルムの主な成分はPET (英: Polyethyleneterephthalate) です。塗料はポリエステルで透明なため、外から見てもフィルムや塗料を施工していることはわからないことが多いです。
ガラス飛散防止フィルムはガラスが破損した際に欠片が散乱することを防ぎます。ガラスが割れても衝突物を貫通させずに破片の飛び散りを抑え、二次的な事故を防ぐ効果があります。
また、ガラス飛散防止フィルムは紫外線を99%以上カットすることができます。住宅の床、家具、カーテン、本棚の本の背表紙などの色褪せを減らす効果があります。
ガラス飛散防止フィルムの種類
1. 機能性ガラスフィルム
ガラスフィルムには、透明飛散防止用以外にも様々な商品があります。
日当たりのいい窓へ貼ることで直射日光のジリジリ感を低減する日射調整フィルム、人通りが多い場所に面した窓や寝室の窓に目隠し効果のある乳白色フィルム、さらにオフィスのパーテーションなどに使用される意匠性のグラデーションやパターンの意匠フィルムなどです。
安全を目的とした用途以外にも冷房補助のための遮光性やプライバシー確保に透けて見えにくい模様や色のついたガラスフィルムがあるため、目的と用途により使い分けることができます。
2. 防犯対策用ガラスフィルム
空き巣対策として防犯効果のあるCPマーク (英: Crime Prevention) の認定を取得したガラスフィルムもあります。
空き巣の侵入経路は約25%が窓ガラスの打ち破りからの開錠です。CPマーク認定のフィルムは、騒音の発生を可能な限り避ける攻撃方法に対し、建物への侵入を5分間以上防ぐ性能を持った商品に定められています。
ただし、CPマーク認定のフィルムは施工が難しい面があり、DIYで貼りつけても防犯効果を発揮できない恐れがあります。そのため、製品性能の認定と防犯フィルム施工技能者の認定を受けた業者の施工がセットになって、CPマークの認証となります。JIS規格適合品を探す場合は「JIS A 5759適合品ラベル」が貼られているかどうかを確認することが大切です。
ガラス飛散防止フィルムのその他情報
ガラス飛散防止フィルムの保証期間
ガラス飛散防止フィルムにはメーカー保証期間が存在します。通常の透明フィルムで3年間 (内装用では5年間) 、日射調整性能のあるものは2年間程度となっています。そのため、フィルムを施工してからも定期的に貼り換え等のメンテナンスを行う必要があります。