削岩機とは
削岩機とは、先端を振動させ、岩に打ち付けることによって壁や岩を粉砕または穴を空けるための建設機械です。
削岩機は1800年初期にイギリスで発明され、日本では1900年初期に小型の削岩機が開発されました。英語では「 Drifter Drill」や「Rock Drill」と呼ばれ、人力削岩で使われていたRock Barが機械化された物です。ドリルとは、ロックバーを連続反復して石に打ちつけることを意味しています。
削岩機の使用用途
1. 建設現場
削岩機は、土木や建築現場において岩石に穴をあけたり、割ったりする際に使用されます。 建設現場での作業では、舗装面や既設構造物の取壊しなども多く、削岩機が活躍します。
2. 鉱山やトンネル工事
削岩機は、鉱山やトンネル工事などで、岩盤に爆薬を装填するための穴をあけたりする際に使用されます。鉱山やトンネル工事での掘削は、発破工法が広く採用されています。削岩機で削孔することで、効率的な作業が可能となります。
3. 水中工事
削岩機は水中でも使用できるタイプもあり、河川工事などで使用されます。河川工事では水中にある既設物の撤去や、新たに構造物を設置することもあるため、その際に水中で利用できる削岩機が活躍します。
4. 石材加工
削岩機は、石材の切り出しや成形にも使用されます。自然石の加工や美術品の制作などでは、削岩機が重宝します。
削岩機の構造
削岩機は、機械本体・ロッド・ビットの3つで構成され、圧縮空気や油圧、電気で駆動するタイプなどがあります。削岩機の構造はシンプルで、人がノミをハンマーで叩くのと同じ原理で、ロッドの先端に付いているビットを押しつけ、回転と打撃 (振動) により岩石を削孔します。
削岩機の種類
削岩機は土木工事で広く使用されます。削岩機の種類には以下のようなものがあります。
1. 削岩機・ブレーカー・電動ハンマー
削岩機は自然石や岩盤の削孔などに使用され、ブレーカーや電動ハンマーと呼ばれる機械は、コンクリートやアスファルトを壊すために使用されます。削岩機とブレーカーは同じと認識されている方がいますが、削岩機は打撃と回転により対象物を破砕するのに対し、ブレーカーや電動ハンマーは衝撃力のみで破砕します。
ブレーカーは、「大型ブレーカー」と「ハンドブレーカー」の2つの工法に分類されます。大型ブレーカー工法は、油圧ショベルに装着したアタッチメントにより取り壊しを行い、ハンドブレーカー工法は、人力での施工が可能です。機械が侵入できない狭いエリアでの作業に使用されます。
電動ハンマーも基本的には同じ仕組みで、一般的に出力の小さな電動工具を指します。削岩機、ブレーカー、電動ハンマーは同じ役割を持つ建設機械ですが、特徴に違いがあるため、目的にあった機械を選定することが大切です。
2. 振動ドリル
振動ドリルは、一般的にドリルは回転のみの機能であることに対し、振動する機能が備わっているドリルです。工具先端に装着したドリルビットの回転と振動により、コンクリートなどに穴を開けられます。
振動ドリルは、振動を停止する機能がついている商品が多く、電気ドリルとして使用することができます。
3. ハンマードリル
ハンマードリルは、ドリルとハンマーの両方の機能を兼ね備えた機械で穴開けやはつり、溝掘りなどの作業に使用されます。振動ドリルが回転+振動に対し、ハンマードリルは回転+打撃により対象物に穴を開けたりすることができます。ハンマードリルは、「回転&打撃」「回転のみ」「打撃のみ」の3パターンから選択可能です。
4. ダウンザホール
ダウンザホールは、垂直方向に穴を掘ったり岩盤を破砕する工法で、地質調査や採掘現場などで使用されています。スクリューの先端にダウンザホールハンマーを取付け、コンプレッサーから送られる高圧エアーを利用したピストン運動 (打撃) で、強固な岩盤を削孔することができます。
5. クローラドリル
クローラドリルは、クローラ (キャタピラ) により自走可能な車体に、穿孔装置を保持した掘削機械です。主に土木工事や鉱山、採石場などで使用されます。ブームに装着されたドリルは掘削角度を変更することが可能なため、さまざまな現場に対応することができます。