シラノールとは
シラノールとは、広義には、ケイ素原子に水酸基(–OH)が結合した化合物の総称です。狭義には、シリルアルコールと言われる、化学式SiH3OHで表される化合物で揮発性のある無色の液体です。
クロロシランやアルコキシシランを加水分解することで得られる、シロキサン(シリコーン)化合物の中間体です。シラノールは脱水縮合しやすい不安定な物質であり、単離が難しいものとされていましたが、近年安定的に単離できる手法の開発が進められております。
シラノールの使用用途
シラノールは、シロキサンをアルコキシシラン等の加水分解する過程で得られる中間体であり、脱水縮合しやすいため不安定な物質です。そのため、シラノールを工業的に合成することは困難であり、シラノール自体が利用されるということはありませんでした。
しかし近年、シラノールの1種であるオルトケイ酸(Si(OH)4)およびそのオリゴマーの安定的な合成が成功したことから、このような物質を原料としたシリコーン化合物の製造が進められることが考えられます。
参考文献
NEDO「有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発」
https://www.nedo.go.jp/content/100804667.pdf