筐体加工

筐体加工とは

筐体加工とは、機械や電子部品を収納するための外装ケースを製作するサービスです。

筐体はエンクロージャやハウジングとも呼ばれる収納ケースです。製品の外観デザインを決めるだけでなく、内部の精密な電子回路や駆動部を守る役割を担います。衝撃や振動を防ぐ物理的な保護機能に加え、水やほこりの侵入も防ぎます。さらに、電気的ノイズを遮断するシールド性など、製品の用途に応じた多様な機能を付与します。

一般的に鋼板やステンレスといった金属材料を使用します。設計図面に基づいて一枚の板から立体的な箱を作ります。製作プロセスではレーザー切断機で材料を切り抜き、正確に曲げた後に溶接によって接合することで箱状に加工します。加工後には耐食性を高めるメッキ処理や、美観を整えるための塗装を施すことが多くあります。

筐体加工の用途

筐体加工のサービスは以下のような用途で使用します。

1. 情報通信機器

データセンターで稼働するルーターや通信用スイッチなどの筐体政策に広く利用されます。情報通信機器は24時間365日の連続稼働が前提となるため、内部の電子部品が発する熱を効率的に外部へ逃がす放熱設計が重要です。筐体加工では、通気孔のパンチング加工やファンを取り付けるための開口部を配置し、空気の流れを計算した設計を実現します。

2. 産業用機械

生産現場で使用される制御盤などのケースにも活用されます。産業用の現場では粉塵や油ミスとが飛散していることも多く、一般的な環境よりも過酷な条件であることが少なくありません。そのため、産業用機器向けの筐体には、隙間なく溶接された密閉構造や、パッキンを用いた防水・防塵性能が必須です。素材には錆に強いステンレスを使用することも多く、加工時には腐食を防ぐための耐食塗装が入念に行われます。

3. 医療用機器

画像診断装置などの外装カバーにも採用されます。医療分野では機能性だけでなく、清潔感や衛生面への配慮が重要視されます。清掃や消毒が容易に行えるよう、滑らかな曲面加工が必要となる傾向にあります。また、電磁波が周囲の精密機器に悪影響を与えないように電磁波シールド対策も重要です。