カナリンとは
カナリンとは、天然のタンパク質を構成しないα-アミノ酸のひとつです。
化学式はNH2-O-CH2CH2-CH(NH2)-COOHで表されます。
別称としては、L-カナリン、O-アミノ-L-ホモセリン、2-アミノ-4-(アミノオキシ)酪酸があります。
ナタマメをはじめとする豆果に含まれるカナバニンから、アルギナーゼまたはカナバナーゼの作用によって生じます。
カナリンはオルニチンのアナログ(構造類似体)であり、強力な殺虫剤として知られています。これは、体内のケト酸やアルデヒド、とりわけ酵素の補因子として知られるピリドキサールリン酸と結びつくことによるものです。
カナリンの使用用途
上述のとおり、カナリンは強力な殺虫剤として使用されています。体内のケト酸やアルデヒド、特に酵素の補因子であるピリドキサールリン酸と結びつくことにより、アミノ基転移、一部の脱炭酸および脱アミノ反応といった重要な生体反応が機能しなくなるという仕組みです。
そのほか、工業的な用途はかなり限定的です。例えば、毛髪補修効果のあるアミノ酸系シャンプーやトリートメントといったアミノ酸系の化粧品に使用されることがあります。