オリビン

オリビンとは

オリビンとは、玄武岩などの塩基性岩や超塩基性岩をなす重要な造岩鉱物のひとつであるカンラン石(橄欖石)をさします。透明でガラス光沢をもつ、黄緑~暗緑色のケイ酸塩鉱物です。

カンラン石には、マグネシウム、鉄、マンガン、ニッケルを主成分とする4種の端成分が知られています。それぞれ、苦土(くど)カンラン石、鉄カンラン石、テフロ石またはマンガンカンラン石、リーベンベルグ石またはニッケルカンラン石とよびます。単にオリビン、カンラン石と呼ぶ場合、一般に苦土カンラン石と鉄カンラン石の固溶体をさします。天然にはマグネシウムに富む苦土カンラン石が圧倒的に多く、大部分のカンラン石の化学組成は、苦土カンラン石成分が約70~90%といわれています。

化学式は、一般にM2SiO4(M = Mg, Fe, Mn, Ni, Ca, Ti, …)で表されます。カンラン石の結晶構造は斜方晶系であり、ケイ素Siイオンを中心として4酸素原子がつくる四面体を基本とし、マグネシウムや鉄といった、6酸素原子の正八面体に近い原子団をなす金属元素からなります。

この鉱物は、オリーブのような独特の緑色であることから「オリビン」と名付けられました。しかし、オリーブは別種の植物である「橄欖」と誤訳されたため、それにしたがい鉱物名も「橄欖石」と誤訳が引き継がれたという経緯があります。
とくに透明で美しい結晶は、ペリドットと呼ばれ、古来宝石として珍重されました。

オリビンの使用用途

先述の通り、オリビンは地殻における造岩鉱物のひとつとして、重要な役割を担っています。また、外観の優れたものは宝石としての用途があります。

工業的な用途としては、カンラン岩を粉砕・篩分したオリビンサンドが、鉄鋼や肥料といった工業資材として活用されています。さらに、重量コンクリート骨材として、湾岸工事用石材としても使用されています。これらの用途は、安定かつ硬質で耐火性に富み、比重が他の岩石に比べて非常に重いというカンラン石の特性を活かしたものとなっています。

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