回転センタ

回転センタとは

回転センタとは、旋盤の心押台に取り付けられる、工作物を保持するための特殊な器具です。

最大の特徴は、本体にベアリングが内蔵されていることで、工作物と連動しながら安定した保持が可能となっています。従来の固定センタとの違いは、回転によって工作物との間に生じる摩擦を大幅に軽減できる点です。

固定センタでは、摩擦により工作物に許容できないほどの傷を与える可能性が高く、使用できるワークや回転数に制限がありました。しかし、回転センタの登場により、これらの問題が解消されました。

工作物との摩擦を低減し、高速回転の加工にも対応も可能です。より精密で効率的な加工ができるため、用途は幅広いです。

回転センタの使用用途

回転センサは、長い工作物やチャッキング部が少ない工作物を安定して加工するために、チャックと反対方向から支える際に使用されます。主軸の回転や加工の負荷による工作物の変形を防ぎ、より正確な加工が可能です。

回転センタの特徴であるベアリングの内蔵により、主軸と連動した保持が実現されています。工作物の安定性が向上し、加工精度も向上します。しかし、ベアリングの存在によってヘッド部の径が大きくなってしまう欠点があるため、工具が接近する際には、回転センタとの干渉に注意が必要です。

回転センタは、さまざまな工作物の加工を円滑に進めるために欠かせない器具です。その利用範囲は広く、自動車部品や航空機部品、一般機械部品などの製造現場や研究所などが挙げられます。また、精密な加工が求められる医療機器の製造など、産業分野でも重要な役割を果たしています。

回転センタの原理

回転センサは主に、光学式、磁気式、静電容量式などの種類があり、それぞれ異なる原理で回転運動を検出しています。回転センサは、それぞれの原理に基づいて回転運動を正確に検出し、電気信号に変換可能です。

1. 光学式回転センサ

光学式回転センサは、光の透過や反射を利用して回転を検出します。ディスク上に複数のスリットが設けられ、ディスクが回転することで光の透過量が変化し、その変化を光検出器で検出することで回転を計測します。

2. 磁気式回転センサ

磁気式回転センサは、磁場の変化を利用して回転を検出します。回転体に磁石が取り付けられ、回転に伴い磁場が変化することで、磁気センサがその変化を検出し、回転を計測します。

3. 静電容量式回転センサ

静電容量式回転センサは、回転体の静電容量の変化を利用して回転を検出します。回転体と固定部に電極が設けられ、回転に伴い静電容量が変化することでその変化を検出し、回転を計測します。

回転センタの種類

回転センタは、旋盤の心押台に取り付けて使用します。シャンク部はモールステーパシャンクになっており、心押台側の軸サイズに合ったものをはめ込む構造が一般的です。

また、回転センタの原理で述べた種類とは別に、回転センタは大きく2つの種類に分けられます。

1.  傘型回転センタ

先端が傘のような形状をしているものです。中が空洞になっている管材 (パイプ材) を加工する際に、センタ用具として使用します。

2. レースセンタ

旋盤でバー材やブランク材を加工する際に振れ止めとして使用する、一般的な回転センタです。本体がすべて同一の鋼で作られた全鋼タイプが主流ですが、先端に超硬チップが付いたタイプもあります。

工作物の材質によっては先端が摩耗で損傷してしまうこともあるため、より硬度の高いものが求められる場合には超硬チップ付きが適しています。

3. その他

最近では、先端取替式というタイプも出てきています。回転センタ本体と先端部のセンターヘッドが別々になったものです。センターヘッドを取り換えることで、簡単に新品への交換ができたり、さまざまなワークに対応できたりと、メリットは多いです。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/052/
http://kabuto-mfg.co.jp/replacement/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です