アルミ焼付塗装とは
アルミ焼付塗装とは、アルミニウム製品の表面に焼付塗装を施す加工のことです。デザインや美観のためだけではなく、防錆性、耐候性を高める目的で実施します。使用する塗料には、メラミン樹脂塗料やアクリル樹脂塗料など、有機溶剤とエポキシ樹脂やポリエステル樹脂などの粉体塗料があります。
焼付塗装は、他の塗装方法と比較して耐候性、耐食性、耐汚染性、耐薬品性に優れており、長期間にわたり塗膜を維持します。ただし、使用する塗料により特性が異なることから、使用条件に合わせて用いる材料を選択します。
アルミ焼付塗装の使用用途
塗料の種類(有機溶剤、粉体塗料)ならびに使用する樹脂により、使用用途が異なります。
粉体塗料は、有機溶剤と比較し、塗装1回あたりの塗膜が厚いことや塗装ラインの自動化が容易なことから、屋外など使用条件が厳しく、かつ大量生産する製品に用いられています。製品例としては、ガードレール、フェンスなどの外構製品、自動車の部品などが挙げられます。
塗料として使用する樹脂は、硬度をはじめ、耐候性や耐薬品性など特性が異なります。このため、製品の使用環境に合わせて使用する樹脂を選択しています。屋内で使用する製品には、メラミン樹脂があります。また、屋外で使用する、あるいは強度を求められる製品には、アクリル樹脂、フッ素樹脂が挙げられます。
アルミ焼付塗装の種類
アルミ焼付塗装は、有機溶剤および粉体塗料いずれの場合も、脱脂洗浄から下地処理、塗装、焼付の工程で加工を行います。有機溶剤、粉体塗料別の特徴を以下に示します。
- 有機溶剤
有機溶剤による焼付塗装は、使用する樹脂により加熱する温度が異なり110℃〜200℃の幅があります。使用する樹脂は、メラミン樹脂、アクリル樹脂、フッソ樹脂、エポキシ樹脂です。 - 粉体塗料
粉体塗料による焼付塗装は、塗膜の厚さや強靱さ、あるいは塗装の自動化の容易さに加え、吹き付け時に余った塗料を再利用できることやVOC(揮発性有機化合物)を使用しないなどのメリットがあります。また、粉体塗料には、エポキシ樹脂をはじめとする熱硬化性粉体塗料と、ポリエチレンなどの熱可塑性粉体塗料があります。
熱硬化性粉体塗料は、180℃〜200℃の温度で加工します。使用する樹脂は、メラミン樹脂、アクリル樹脂、フッソ樹脂、エポキシ樹脂です。
熱可塑性粉体塗料は、220℃以上の温度で加工します。使用する樹脂は、塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロンです。