銅板加工とは
銅板加工とは、導電性、伝熱性に優れた銅板の加工のことです。
導電率が高く耐食性があることから電気関連分野や屋外向けの建築用資材などで使用されますが、銅は熱伝導が良いため溶接にはなじみません。
銅板加工の使用用途
銅板は小さな電気接点から調理器具、屋外向けの建築用屋根材、表面色が好まれる装飾品などで使用されます。銅板加工は、通常の切断加工や曲げ加工をはじめ、装飾品で使用されるような手間のかかる彫り込みも行われています。
銅は鉄やアルミ、ステンレスといった他の金属に比べて強度がなく、ねばりがあるため成形が難しい素材と言われています。
銅板加工の種類
銅板加工は、切断加工、曲げ加工、切削加工、表面処理などの通常の金属加工と同様の加工が行われます。
切断加工は、銅が柔らかいため刃を使った切断は不向きで、レーザー光照射によるレーザーカット加工でも、フャイバーレーザーを使った機械でないと難しいです。昇圧した水を極めて小径のノズルから噴出させることによって切断加工するウォータジェット加工も行われていますが、高価なガーネットという研磨剤が必要になるために大量生産には不向きです。
タレットパンチプレスという金型を使った打ち抜き加工や、銅の特性を活かしたワイヤーカットという高度な切断加工も行われています。この切断加工は、素材を水中に浸し、電流を流したワイヤーを当てることで発する熱で銅を溶かしながら切断します。曲げ加工は、加工自体は容易ですが、加工後の板内側のしわや外側ののびを考慮した加工制御が必要となる場合もあり、注意が必要です。
切削加工はフライス加工や旋盤加工で行われています。銅板はねばりなどの特性があるのでバリなどが出現しやすいです。超硬の工具が適しており、切れ味が悪い工具を使用すると切削面が荒くなるためよく研磨された切れ味の良い工具を使用する必要があります。
ま銅板は高温になると溶着する場合があるのでクーラントが切削面にかかっているかの確認が必要です。銅の特性上、水溶性のクーラントは変色する場合があるため油性のクーラントが適しています。
また、細かい加工が必要とされる装飾品分野ではエッチング加工と呼ばれる薬品の腐食作用を応用した加工も行われています。このほかの表面処理としては、通常の表面研磨以外にもヘアライン加工やアルマイト加工などがあります。