ステンレス板加工とは
ステンレス板加工とは、ステンレスの板材に対して行う加工のことです。
ステンレスは、耐食性をはじめ、多くの優れた特性がありますが、高硬度であることや、靱性 (外力が加わったときの変化割合) やスプリングバック (加工後に外力を除いたときの戻り) などの割合が大きいため加工が難しいと言われています。
少しでも加工の難しさを解消するため、素材メーカーでは使用目的に合わせたステンレスの改良が進められています。
ステンレス板加工の使用用途
ステンレス板加工は、広範囲におよぶステンレス製品に対応するため、目的に合った加工が行われます。
薄いステンレス板は、プレス機で一気に切断・曲げ・穴あけ加工されるのに対し、ステンレス板の厚みが増すにつれ、加工の難しさも増し、個別の加工となります。
ステンレス板を使った製品は、小さいものでは時計や携帯電話などの精密機器用部品があり、大きくなると洗濯機の脱水槽のドラムやオーブンレンジ、炊飯器、冷蔵庫などの家電製品があります。さらに大きな製品では、キッチンの流し台といった厨房関連製品をはじめ、輸送機器関連や産業機器関連、トンネルの内装板といった土木関連、野球場の屋根材のような建築関連などがあります。
ステンレス板加工の種類
ステンレス板加工は、他の金属板と同様に切断加工や曲げ加工、溶接といった基本的な加工のほか、表面加工なども行われています。
耐食性を活かした洗濯機の脱水槽では、パンチング加工と表面処理がされています。エスカレーターの乗降部に使われているステンレス板製品では、滑り止め防止の表面加工が施されています。
ステンレス板加工で表面処理されたものは、見た目がよいことから各種製品のケースに使われます。表面処理の種類は化学処理や熱処理、研磨、エンボス加工、エッチング加工、メッキ処理、塗装などです。
研磨は、電解研磨、バレル研磨、バフ研磨、ヘアライン仕上げといった多くの処理が使われています。例えばヘアライン仕上げは、鏡面のようなステンレス板表面を加工することで、高級感を出すことができます。