ワイヤーカット放電加工

ワイヤーカット放電加工とは

ワイヤーカット放電加工

ワイヤーカットは、真鍮のワイヤーに電流を流し、放電の熱によって、材料を溶かしながら切断していく加工方法です。ワイヤーが材料に触れることなく溶解していくので、切断面が綺麗です。また、精密に切断していくことができ、数μ(ミクロン)で単位での加工が可能です。切断加工幅は、400mmの厚い材料から、0.02mm薄い箔材も可能です。

切断できる素材は「鉄」「ステンレス」「銅」「真鍮」「アルミニウム」など、伝導体であれば溶融切断できます。逆に伝導性がない素材は、使用できません。

ワイヤーカット放電加工の使用用途

ワイヤーカット放電加工は、金属の切断や高精度を求める加工に用いられます。加工できる材料の厚みが、薄いものから厚いものまで可能です。そのため、スマートフォンや家電製品などの小さな部品から、機械などの大きな加工部品まで、ワイヤーカットにて製作されています。

ワイヤーカットは、精密加工が可能なため、金型の製作や複雑な形状の加工に向いています。また、ワイヤーで材料を切っていくため、マシニング加工のように工程が多くなりません。板加工の場合、一筆書きのように一工程で切り抜きできます。

ワイヤーカット放電加工の原理

ワイヤーカット放電加工機は、純水、もしくは油が入った液槽の中で絶縁をしつつ、ワイヤーが熱によって切断されないよう冷却しながら加工します。通電されたワイヤーと材料間で放電が発生し、接触することなく、数千度の熱で溶かしながら加工していきます。

メリットは、導電性素材なら、薄いものから厚いものまで切断できます。使用するワイヤーの太さは、加工会社によって違いますが、一般的に直径0.10mm~0.30mmで、高精度加工が感応です。材料を溶解して切断するため、バリや加工屑がでません。そのため、バリや加工屑の処理工程が省けます。さらに、ワイヤーは安価なので、ドリルを使う切削よりもコストを下げられます。

デメリットは、伝導性の素材以外は加工できません。また、材料を溶かしながら切断していくため、加工速度は遅いです。ワイヤーを上下に張った状態で加工するため、溝加工やポケット加工など、底を必要とする加工はできません。

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