ケイ酸アルミニウム

ケイ酸アルミニウムとは

ケイ酸アルミニウムとは、酸化アルミニウム二酸化ケイ素、水の混合物の総称です。

様々な組成のものがあり、天然にも多く存在します。最も多く存在するけい線石はAl2SiO5という化学式で表されます。けい線石のみを指してケイ酸アルミニウムという場合もあります。けい線石は常温で白色の斜方晶系個体で水に不溶です。酸や塩基に耐性があり、浸食されません。

天然のケイ酸アルミニウムにはけい線石とは組成が異なるナクル石と呼ばれるものなどがあります。また、人工的に合成された様々な組成のケイ酸アルミニウムが存在します。

ケイ酸アルミニウムの使用用途

ケイ酸アルミニウムは陶器や塗料の原料に用いられているほか、合成ケイ酸アルミニウムは医薬品としても使用されています。

医薬品としての合成ケイ酸アルミニウムは胃や腸の炎症を抑える薬として使用される場合が多いです。ケイ酸アルミニウムは長期的に投与することで腎結石などの副作用を発症する可能性があるため腎障害のある患者に対しての投与は控えられる傾向にあります。

また、ケイ酸アルミニウム繊維は熱伝導率が低く熱安定性、化学安定性ともに優れている繊維として注目を集めています。

ケイ酸アルミニウムの性質

ケイ酸アルミニウムは一般的に無臭な白色固体です。自然の鉱物の形では、安全で無毒であると考えられています。

しかし、ケイ酸アルミニウムの粉塵に長時間さらされると珪肺症などの呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。 珪肺症は、肺組織の瘢痕化と肺機能の低下を引き起こす肺疾患で、肺がんのリスクも高まる可能性があります。

ゼオライトのような合成形態などの一部の形態のケイ酸アルミニウムは化学的に変化する可能性があり、人間の健康に大きなリスクをもたらす可能性があります。

ケイ酸アルミニウムを扱う際には、暴露防止対策のためにマスクなどの適切な個人用保護具を使用することが大切です。

ケイ酸アルミニウムの種類

ケイ酸アルミニウムは、組成と構造が異なる鉱物や化合物が多くあります。 一般的なタイプのケイ酸アルミニウムには次のものがあります。

1. カオリナイト

土壌によく見られる粘土鉱物で、陶器、紙、その他の材料の製造に使用されます。

2. アンダルサイト (紅柱石)

カイアナイトより低い圧力、シリマナイトよりも低い温度で晶出する鉱物です。結晶系は斜方晶系です。

3. カイヤナイト (藍晶石)

アンダルサイトに似た組成を持つ鉱物で、装飾品に利用されることがあります。結晶系は三斜晶系です。

4. シリマナイト (珪線石)

結晶系は斜方晶系です。カイヤナイトやアンダルサイトと同じ組成ですが、違う結晶構造をとり、これらの鉱物は同質異像の関係にあります。

5. ゼオライト

高度に多孔質で、触媒、吸着剤、およびイオン交換剤として使用される合成ケイ酸アルミニウムです。

6. マイカ (雲母)

耐熱性と絶縁性に優れ、化粧品、断熱材、電子機器によく使用される鉱物グループです。

7. 長石

融点が低く、熱膨張を抑える能力があるため、セラミックやガラスの製造に一般的に使用される鉱物グループです。

他にも多くの種類のケイ酸アルミニウム鉱物や化合物があり、それぞれに独自の特性と用途があります。

ケイ酸アルミニウムの構造

ケイ酸アルミニウム化合物は一般に、1つのアルミニウム原子と6つの酸素原子からなる八面体と、1つのケイ素原子と4つの酸素原子からなる正四面体で構成される三次元ネットワークで構成されています。化学組成やネットワーク構造の形態に応じて、様々な特性をもたらします。

ネットワーク構造は、ケイ酸アルミニウムの種類によって異なります。 たとえば、鉱物カオリナイトでは、ケイ素四面体が層状に配置され、層の間にアルミニウム八面体が配置されています。 対照的に、ゼオライトでは、SiO4あるいはAlO4の四面体構造が無限に連なった構造となっています。

参考文献
http://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#koumoku=11513
https://jza-online.org/about/q1/

https://www.jrs.or.jp/file/disease_i02.pdf
https://okabe-mica.co.jp/about/

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